結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
午前九時半を過ぎた頃、コントロールセンター内がざわついていることに気づき顔を上げる。
「えっ」
驚いて思わず声が出た。優成が史花のほうに向かって歩いてきたのだ。
挨拶を交わしながら足を進め、史花の前で立ち止まった。
「ただいま」
爽やかな笑みを向けられ、鼓動が不規則に弾む。
「お、おかえりなさい」
「って言っても、またすぐこれからフライトだけどね」
「関西国際空港行きの350便ですよね。さっきフライトプランを作成して送信しました」
「史花が作ったのか。それじゃ安心だ。フライトウォッチもよろしく」
優成が人目も憚らず史花の頭をポンポンと撫でる。
(きっとわざわざ立ち寄ってくれたのよね)
史花を元気づけるためにここへ来たに違いない。