結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「忙しいのにありがとうございます」
「俺は史花の顔を見たかっただけ」


 周囲に聞こえないように囁く。余計に甘い声に聞こえ、仕事中なのに不謹慎にも心拍数が上がった。


「あ、あの、関空上空に霧が発生していますので気をつけてください」


 照れくささを隠すために業務連絡で済ませると、優成は「了解」ともう一度史花の頭をポンとした。

 優成がコントロールセンターを出てすぐ、近くの同僚からからかわれたのは言うまでもない。うまくかわせずにいつにも増して真面目顔でモニターに向かう以外になかった。
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