結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?

 関西国際空港周辺に予想以上の濃霧が立ち込めている情報を入手したのは、優成が機長を務める航空機が定刻通りに離陸して一時間ほど経過してからだった。

 関西国際空港は大阪湾に浮かぶ人工島に位置しているため、海からの湿った空気が流れ込みやすく、放射霧や海霧が発生しやすい。上空にも薄い雲が広がっているため、航空機からの視程はかなり悪いだろう。

 プラン作成時から霧は発生していたが、時間の経過とともに解消するだろうと考えていた。その予想が外れ、にわかに史花に緊張が走る。


「関空行き350便と通信をはじめます」


 史花はヘッドセットを装着し、無線通信を開始した。


「OCL350、こちらはディスパッチャーの津城です」
『OCL350、了解』


 史花の呼びかけに優成が応答する。


「OCL350、最新の気象情報です。目的地の視界は1000フィート、風速は10ノットです」
『1000フィートか、かなり視界不良だね』
< 261 / 294 >

この作品をシェア

pagetop