結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「まずは〝自然な笑顔〟か。まぁ、そうよね。無表情より笑顔がいいに決まってるわ。でも私は……」


 普段の自分を思い返すと、笑顔よりも真顔でいるほうが多い。

(ううん、多いなんてものじゃないわ。一日の大半を生真面目な顔をして過ごしているもの。やっぱりそれじゃだめよね)

 自覚は大いにある。優成が一緒に過ごしたい気分にならないのも当然かもしれない。食卓を囲む相手がニコリともしなかったら、おいしいものもおいしく感じないだろう。

 次に書かれているのは〝ポジティブ思考〟だ。
 ネガティブな性質ではないけれど、かといってものすごく前向きでもない。

(中途半端? いい塩梅とも言えるけど)

 しかし、ここに二番目のアドバイスとして書いてある以上、プラス思考寄りになったほうがいいだろう。


「次は〝女としての魅力を磨き続ける〟。……耳が痛い」


 思わず目をぎゅっと瞑って顔を横に振る。これもまた史花には全然足りていないポイントだ。
 美容やスキンケアに力を入れた経験はなく、今まで着ないような新しい服に挑戦したこともない。ヘアスタイルにいたっては万年、一本縛りだ。

(外見を磨くことだけが女性の魅力をアップさせるわけじゃないと思うけど、見た目に気を使う気持ちは大切よね)

唸りながら頷く。ほかにも〝夫のすべてを受け入れる〟〝変化を受け入れ、新しいことにも一緒に挑戦〟など史花にとって参考になるアドバイスが続き、忘れないようにスマートフォンのメモに記録を残していった。
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