あなたが運命の番ですか?
 その夜、家族3人で夕食を食べていると、お母さんは突然箸を置いて「あのね、寿々ちゃん」と切り出してきた。

「実はね――」
 顔を上げると、お母さんは何やらソワソワしていた。その一方で、隣にいるお父さんは少し不安げな表情を浮かべている。

「寿々ちゃんに、()()()()の話が来てるの」

 お母さんはそう言って、嬉しそうに笑みを浮かべる。

「えっ――」

 私は一瞬、お母さんが何を言っているのか理解できなかった。
< 11 / 195 >

この作品をシェア

pagetop