あなたが運命の番ですか？

スキャンダル④

　始業式の後、ロングホームルームが始まるまでの休み時間、アタシはスマホの画面をジッと見つめていた。
　橘先輩に謝罪のメッセージを送った後、先輩からの返信は来ていない。

　今日、学校へ登校すると、すれ違う人々がアタシのことをジロジロと好奇な目で見てきた。だけど、そんなことは自分がアルファだと分かった頃から慣れている。
　教室へ入るとクラスメイトたちはアタシを見て一瞬気まずそうにしていたが、クラス委員長が堂々と「おう、元気か？」と声を掛けてくれたおかげで、気まずい空気は消えた。
　アタシ自身はもっと周りから厭味や非難を受けるかと身構えていたが、案外みんな優しかった。いや、優しいというよりも、哀れんでいるというほうが正しいだろうか。
　今はアタシのことよりも、橘先輩のことが心配だ。
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