あなたが運命の番ですか?
君の番になりたかった(暴力描写あり)
放課後、僕は水瀬に呼び出されて、視聴覚室へ向かった。
室内に入ると、水瀬は出入り口に1番近い長机の隅に座って待っていた。
「遅かったな」
水瀬はあからさまに不機嫌な態度を露わにする。
「ホームルームが長引いただけだよ」
僕は言い訳をしながら、扉を閉める。
「見たぞ、週刊誌」
水瀬の言葉に、僕は内心「うわ……」となった。
何となく分かっていたけど、こいつにも知られてしまったか。
「最近付き合い悪いと思ったら、お前、女に入れ込んでたのか」
「……別に、そんなんじゃないよ」
僕がそう返すと、水瀬は「へぇ」と納得がいかない様子で眉間に皺を寄せる。
「まあ、いいや。とりあえず、しゃぶってくれよ」
水瀬は長机から降りると、こちらに歩み寄りながら自身のベルトに手を掛ける。
「……もう、シないよ」
「――あ?」
僕の言葉を聞いた水瀬は、低く唸りながらギロッと鋭い眼光で僕を睨む。その瞬間、場の空気がピンと張りつめ、僕は緊張で心臓がバクバクと鼓動する。
「お前、今なんつった?」
「……だから、もうお前とはシないって。今日はそれを言いに来ただけだから」
僕は下を向いて声を震わせる。
ここ最近、僕は水瀬の誘いを断り、意図的に水瀬のことを避けていた。
その理由は、僕が水瀬との関係を切りたかったからだ。
そして、今日ようやくその旨を水瀬本人に告げる決心がついた。
「それじゃあ、僕はこの後部活があるから――」
僕はそれだけを言い残して、その場を去ろうとした。しかし――。
ドゴッ――。
突然、鈍い音と共に顔に強い衝撃が走り、その拍子に僕は床に叩きつけられた。
「うっ……、ゲホッ」
僕は咳き込みながら、床に這いつくばった状態で上半身を起こす。すると、床にポタポタと血が垂れた。
左の頬に鈍痛が走り、恐る恐る自分の顔に触れると、鼻血が出ているのが分かった。
口の中も切れてしまったのか鉄の味が口内に広がり、喉に血と唾液が絡んだせいで息苦しくなる。
ああ、殴られたのか――。少し遅れてから、僕は冷静にそんなことを考える。
しばらくの間、僕は床に垂れる自分の血をぼんやりとした頭で眺めていた。
すると、水瀬は僕の肩を掴んで無理やり仰向けにさせ、馬乗りになる。
僕を見下ろす水瀬の顔は、まさに鬼の形相で、歯を剥き出しにして怒りに震えていた。
「や、やめろっ!離せっ!触んな!!!」
僕は叫びながら、両手で水瀬の身体を押し退けようとする。
「うるせぇっ!暴れんじゃねぇっ!!」
水瀬は僕の両手を強い力で掴んで押さえつけ、動きを封じようとする。
オメガの僕はアルファの水瀬に力で敵わず、上半身を抑え込まれた。しかし、僕はそれでもなお抵抗を止めず、足をジタバタさせる。
そんな僕を見た水瀬は、ますます苛立ちと怒りで目を吊り上げた。
「じゃあ、お前の代わりに、他の園芸部の女に相手してもらおうか?」
水瀬は僕の髪を掴むと、僕を睨みつけながら低い地を這うような声で脅してきた。
「えっ……」
僕はその言葉に背筋が凍り、途端に身体が動かなくなる。
「それとも、あのアルファの女のほうがいいか?俺は誰でもいいぞ。お前に選ばせてやるよ」
水瀬の言葉に、僕は恐怖のあまり身体がガタガタと震える。
「い、いや……、やめて……」
僕は絞り出すように、声を発する。
東部長、春川さん、――星宮さん。
3人の顔が僕の脳裏に浮かんだ。
「分かったから……、大人しくするから……。だから、彼女たちには何もしないで……」
僕はボロボロと涙を流しながら、水瀬に懇願した。
室内に入ると、水瀬は出入り口に1番近い長机の隅に座って待っていた。
「遅かったな」
水瀬はあからさまに不機嫌な態度を露わにする。
「ホームルームが長引いただけだよ」
僕は言い訳をしながら、扉を閉める。
「見たぞ、週刊誌」
水瀬の言葉に、僕は内心「うわ……」となった。
何となく分かっていたけど、こいつにも知られてしまったか。
「最近付き合い悪いと思ったら、お前、女に入れ込んでたのか」
「……別に、そんなんじゃないよ」
僕がそう返すと、水瀬は「へぇ」と納得がいかない様子で眉間に皺を寄せる。
「まあ、いいや。とりあえず、しゃぶってくれよ」
水瀬は長机から降りると、こちらに歩み寄りながら自身のベルトに手を掛ける。
「……もう、シないよ」
「――あ?」
僕の言葉を聞いた水瀬は、低く唸りながらギロッと鋭い眼光で僕を睨む。その瞬間、場の空気がピンと張りつめ、僕は緊張で心臓がバクバクと鼓動する。
「お前、今なんつった?」
「……だから、もうお前とはシないって。今日はそれを言いに来ただけだから」
僕は下を向いて声を震わせる。
ここ最近、僕は水瀬の誘いを断り、意図的に水瀬のことを避けていた。
その理由は、僕が水瀬との関係を切りたかったからだ。
そして、今日ようやくその旨を水瀬本人に告げる決心がついた。
「それじゃあ、僕はこの後部活があるから――」
僕はそれだけを言い残して、その場を去ろうとした。しかし――。
ドゴッ――。
突然、鈍い音と共に顔に強い衝撃が走り、その拍子に僕は床に叩きつけられた。
「うっ……、ゲホッ」
僕は咳き込みながら、床に這いつくばった状態で上半身を起こす。すると、床にポタポタと血が垂れた。
左の頬に鈍痛が走り、恐る恐る自分の顔に触れると、鼻血が出ているのが分かった。
口の中も切れてしまったのか鉄の味が口内に広がり、喉に血と唾液が絡んだせいで息苦しくなる。
ああ、殴られたのか――。少し遅れてから、僕は冷静にそんなことを考える。
しばらくの間、僕は床に垂れる自分の血をぼんやりとした頭で眺めていた。
すると、水瀬は僕の肩を掴んで無理やり仰向けにさせ、馬乗りになる。
僕を見下ろす水瀬の顔は、まさに鬼の形相で、歯を剥き出しにして怒りに震えていた。
「や、やめろっ!離せっ!触んな!!!」
僕は叫びながら、両手で水瀬の身体を押し退けようとする。
「うるせぇっ!暴れんじゃねぇっ!!」
水瀬は僕の両手を強い力で掴んで押さえつけ、動きを封じようとする。
オメガの僕はアルファの水瀬に力で敵わず、上半身を抑え込まれた。しかし、僕はそれでもなお抵抗を止めず、足をジタバタさせる。
そんな僕を見た水瀬は、ますます苛立ちと怒りで目を吊り上げた。
「じゃあ、お前の代わりに、他の園芸部の女に相手してもらおうか?」
水瀬は僕の髪を掴むと、僕を睨みつけながら低い地を這うような声で脅してきた。
「えっ……」
僕はその言葉に背筋が凍り、途端に身体が動かなくなる。
「それとも、あのアルファの女のほうがいいか?俺は誰でもいいぞ。お前に選ばせてやるよ」
水瀬の言葉に、僕は恐怖のあまり身体がガタガタと震える。
「い、いや……、やめて……」
僕は絞り出すように、声を発する。
東部長、春川さん、――星宮さん。
3人の顔が僕の脳裏に浮かんだ。
「分かったから……、大人しくするから……。だから、彼女たちには何もしないで……」
僕はボロボロと涙を流しながら、水瀬に懇願した。