あなたが運命の番ですか?
あなたの番になりたい
「春川さん、帰ったら星宮さんや部活のことを、ちゃんとお母さんと話し合ったほうがいいよ」
コンビニを出て私の家へ向かっている道中、前園先輩はそう切り出した。
「女子同士でも、オメガとアルファじゃ、接し方はきちんと考えたほうがいいと思う。だけど、完全に縁を切ってしまう必要はないって、俺は思うよ。部活だって、春川さんが続けたいのなら辞める必要はない。――もし、アレだったら、お母さんの説得を俺も手伝うから」
そう語る前園先輩の横顔は、真剣で凛々しい雰囲気を纏っている。
「俺との婚約だって……、春川さんが嫌なら、破棄してもらって全然構わないから」
「えっ!?」
突然の前園先輩の言葉に、私は思わず素っとん狂な声を上げる。
前園先輩は俯き気味に視線を下げて、少し苦しそうな顔をしていた。
「ど、どうして、急にそんなこと……」
急に婚約破棄の話をされて、私は困惑する。
「春川さんの人生は、春川さんのものだから……。友達も、部活も、……番も、全部決めるのは春川さんだよ。お母さんの意見は、助言に留めておくべきなんだ。お母さんに言われたからって、無理やり嫌な選択肢を選ばなくていい。俺と番になって春川さんが嫌な思いをするくらいなら、俺は――」
「そんなことない!!!」
私は声を上げ、思わず立ち止まる。
前園先輩もつられて立ち止まり、目を見開きながら私を見下ろした。
「どうして、そんな悲しいことを言うの?私は先輩と番になって嫌な思いなんて、絶対にしないのに……」
私が声を震わせながら話すと、前園先輩の顔は徐々に申し訳なさそうな表情に変わる。
「私、私は――」
私は詰まりそうになる言葉を必死に紡ぎながら、真っ直ぐ前園先輩の目を見つめる。
「前園先輩が好きです」
私がそう告げると、前園先輩は驚いた表情のまま固まった。
「私は前園先輩のことが好きなの。先輩は、私のこと嫌い?」
私が言葉を発するたびに、心臓がバクバクとうるさくなる。
前園先輩は、私が「嫌い?」と聞いた瞬間、明らかに動揺したような表情を見せ、すぐに首を横に振った。
「違う!そんなわけがない!だって、むしろ――」
必死に弁明する前園先輩の顔は、次第に赤くなっていく。
「お、俺も……、春川さんが好き、だよ……」
口ごもる前園先輩の言葉に、私の胸が高鳴った。
「ほ、ほんとに?」
「……ほ、ほんとだよ。嘘なんか、吐かないよ……」
「じゃあ、私のこと番にしてくれる?」
「も、もちろん……」
顔を真っ赤にしてしどろもどろになりながら答える前園先輩を見て、私は自然と口角が上がる。
「嬉しい……」
その言葉が、自然を口をついて出た。
「……そ、そろそろ帰ろうか。流石にもう戻らないと怒られる……」
前園先輩は照れ隠しなのか、プイッとそっぽを向いて歩き出す。
「あっ!ま、待って!」
私は咄嗟に前園先輩を追いかけた。
コンビニを出て私の家へ向かっている道中、前園先輩はそう切り出した。
「女子同士でも、オメガとアルファじゃ、接し方はきちんと考えたほうがいいと思う。だけど、完全に縁を切ってしまう必要はないって、俺は思うよ。部活だって、春川さんが続けたいのなら辞める必要はない。――もし、アレだったら、お母さんの説得を俺も手伝うから」
そう語る前園先輩の横顔は、真剣で凛々しい雰囲気を纏っている。
「俺との婚約だって……、春川さんが嫌なら、破棄してもらって全然構わないから」
「えっ!?」
突然の前園先輩の言葉に、私は思わず素っとん狂な声を上げる。
前園先輩は俯き気味に視線を下げて、少し苦しそうな顔をしていた。
「ど、どうして、急にそんなこと……」
急に婚約破棄の話をされて、私は困惑する。
「春川さんの人生は、春川さんのものだから……。友達も、部活も、……番も、全部決めるのは春川さんだよ。お母さんの意見は、助言に留めておくべきなんだ。お母さんに言われたからって、無理やり嫌な選択肢を選ばなくていい。俺と番になって春川さんが嫌な思いをするくらいなら、俺は――」
「そんなことない!!!」
私は声を上げ、思わず立ち止まる。
前園先輩もつられて立ち止まり、目を見開きながら私を見下ろした。
「どうして、そんな悲しいことを言うの?私は先輩と番になって嫌な思いなんて、絶対にしないのに……」
私が声を震わせながら話すと、前園先輩の顔は徐々に申し訳なさそうな表情に変わる。
「私、私は――」
私は詰まりそうになる言葉を必死に紡ぎながら、真っ直ぐ前園先輩の目を見つめる。
「前園先輩が好きです」
私がそう告げると、前園先輩は驚いた表情のまま固まった。
「私は前園先輩のことが好きなの。先輩は、私のこと嫌い?」
私が言葉を発するたびに、心臓がバクバクとうるさくなる。
前園先輩は、私が「嫌い?」と聞いた瞬間、明らかに動揺したような表情を見せ、すぐに首を横に振った。
「違う!そんなわけがない!だって、むしろ――」
必死に弁明する前園先輩の顔は、次第に赤くなっていく。
「お、俺も……、春川さんが好き、だよ……」
口ごもる前園先輩の言葉に、私の胸が高鳴った。
「ほ、ほんとに?」
「……ほ、ほんとだよ。嘘なんか、吐かないよ……」
「じゃあ、私のこと番にしてくれる?」
「も、もちろん……」
顔を真っ赤にしてしどろもどろになりながら答える前園先輩を見て、私は自然と口角が上がる。
「嬉しい……」
その言葉が、自然を口をついて出た。
「……そ、そろそろ帰ろうか。流石にもう戻らないと怒られる……」
前園先輩は照れ隠しなのか、プイッとそっぽを向いて歩き出す。
「あっ!ま、待って!」
私は咄嗟に前園先輩を追いかけた。