あなたが運命の番ですか?

悩み相談

 お見合いから数日が経った。その間、私はずっと先日のお見合いのことばかり考えている。
 あの時、焦った私はろくに考えもせずに、前園先輩と番になることを承諾してしまった。
 私はすぐに返事してしまったことを後悔している。
 
 前園先輩に対する印象はどちらかと言うと「良い」のだが、まだ出会ったばかりの相手なので、どういった人物なのか謎が多い。
 本当は怖い人だったら、どうしよう……。
 そんな不安が、この数日間ずっと頭の中をグルグルと巡っている。

「良かったわねぇ、寿々ちゃん。良い人が見つかって」
 お見合いの後、お母さんは泣きながら喜んでいた。
 
 法律上、両者が18歳以上――成人者でないと番関係にはなれない。
 市役所に婚姻届けを提出する結婚と違って、番成立に手続きは必要ない。しかし、番のどちらか片方が未成年者の場合、アルファ側に罰金もしくは懲役刑が課せられる。
 まだ15歳の私にとって、前園先輩と番になるまで3年猶予があるので、その間に「断る」こともできる。
 しかし、あんなに喜んでいるお母さんを見てしまうと、今更「断る」ことなんて出来ない。
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