あなたが運命の番ですか？

「んっ――！？」
　アタシは橘先輩の後頭部を抑え、舌を無理やりねじ込む。
　そして、舌で口内を犯しながら、アタシは橘先輩のシャツの裾を上げて、肌に手を滑らせる。
　スベスベとした柔らかい肌を弄っていると、固く尖った突起が指先に触れた。
「んん、ぅ……」
　すると、橘先輩は唇の隙間からくぐもった声を上げ、アタシはそれを唾液や吐息と共に飲み込んだ。

　アタシは唇を離し、震える手で橘先輩のネクタイを緩めて、先輩の首から外す。
　そして、無理やりブレザーとシャツのボタンも引き裂くように外した。
　露わになった橘先輩の裸体は、細くて華奢で、男子にしては丸みを帯びているように感じる。
　
　橘先輩の桃色の乳首は、舐めてほしいと強請(ねだ)るように勃ち上がっている。
　アタシは、左の乳首を舌先で転がした。
「あっ――」
　橘先輩は甘ったるい声を上げながら身をよじらせる。
　反対側も指先で転がしながら、アタシは突起を何度も舌先で弾いたり唇でつまんだりする。
　甘い、熱い――。
　アタシが乳首を弄るたびに、橘先輩は身体を跳ねさせる。
　そして、アタシの腹に橘先輩の固くなったモノが当たる。――というより、先輩が押し付けている気がする。

　アタシは上体を起こして先輩のズボンのベルトを外し、下着ごとズボンを脱がす。
　切なげに勃ち上がった性器からは、透明な液体が溢れている。

　アタシは橘先輩の両脚を持ち上げ、お尻に手を伸ばす。
　後孔に触れると、トロトロとした愛液が溢れていた。
　オメガの男性は、女性器と同じように肛門が濡れると聞いていたが、本当らしい。
「あ……ッ」
　アタシが中指をねじ込むと、橘先輩はビクビクと身体を震わせ、とろけた顔でアタシを見つめる。
　
　もっとぐちゃぐちゃにしたい。
　アタシはもう１本、人差し指をねじ込み、グリグリとナカを弄る。
　すると、固いしこりのようなモノが指先に触れた。
「んっ――！？」
　橘先輩は、ビクッと大きく身体を震わせる。
　先ほどまでとは違う反応を見て、アタシはここが先輩の「イイところ」なのだと分かった。
　アタシは、そこばかりを執拗に責める。

「そこ、だめ……」
　橘先輩は涎(よだれ)を垂らしながら、首をブンブンと横に振る。しかし、そんなことを言いつつも、先輩は自ら股を広げてアタシが触りやすいように自分で足を抱え、嬉しそうに腰を揺らしている。
「だめっ、イ――」
　そして、橘先輩は大きく身体を仰け反らせると、ナカを痙攣させながら、アタシの指をきつく締めけてきた。
　その瞬間、先ほどよりもフェロモンの匂いが濃くなった。
　数秒間痙攣が続くと、橘先輩はぐったりと床に倒れる。
　橘先輩の顔は涎と涙でグチャグチャになっているが、性器からは透明な液体が溢れているだけだ。

「ハァ……、ハァ……」
　橘先輩は頬を染めて肩で息をしながら、どこか遠くを見つめている。
　そんな橘先輩の煽情的な姿を見ながら、アタシはスカートをたくし上げて下着を下ろした。
　アタシの陰(・)核(・)は、もう既に橘先輩のナカを犯すためにいきり立っている。

　よくアルファ女性は、周りから「男性器が生えている」と勘違いされる。しかし、正しくは「勃起した陰核(クリトリス)が男性器のように見える」だけだ。
　通常時の性器は、ベータやオメガの女性たちと同じ形状をしている。
　つまり、アルファ女性の陰核は、興奮状態になると男性器と同じくらいの大きさまで肥大化するのだ。
　そして、男性とは違って睾丸が腹部の中に隠れており、陰核から精子を放つ。

　アタシは橘先輩の身体をひっくり返し、お尻だけを浮かせたうつ伏せ状態にする。
　愛液をダラダラと垂らす橘先輩の穴に、アタシは陰核をあてがう。
　そして、先輩の腰を両手で持ちながら、ゆっくりとナカへと挿れていく。
「ひっ――！？」
「う、ぐっ――」
　挿れた瞬間、橘先輩のナカがアタシのモノに吸い付いてきた。今までに感じたことのない強い刺激がビリビリと電撃のように、アタシの身体中を駆け巡り、思わず達してしまいそうになったため１度腰を止めた。そして、ゆっくりと深呼吸してから、再度奥へ進む。
　橘先輩のナカは狭くて、熱くて、アタシのモノが溶けてしまいそうだ。

　１番奥までたどり着くと、アタシはゆっくりと腰を引き、それから間髪入れずに思いっきり奥を突いた。
「あっ――！？」
　突き上げた瞬間、橘先輩はぎゅうっとナカを締め付ける。
　そこから、アタシはタガが外れたように容赦なく腰を振った。
　何度も何度も欲望のままに奥を突き、イイところを擦る。
　そのたびに橘先輩は身体をビクビクと震わせ、ナカをぎゅうぎゅうと締め付けて、アタシのモノを食い千切ろうとする。
「だめっ……、イッてる、から……」
　橘先輩はヤダヤダと駄々をこねるが、自ら腰を振ってイイところに当てようとしている。
　先輩がイくたびに、フェロモンが濃くなっていくのが分かる。

　アタシは橘先輩の身体を後ろから抱きしめ、溢れてくるフェロモンを嗅ぐ。
　そして、後ろから突きながら、胸も同時に弄ってあげる。
「それ、だめ……」
　
　橘先輩が甘ったるい声で鳴いていると、その声に交じって「はあ、はあ」という荒い息遣いが聞こえてきた。
　まるで、腹を空かせた獣のような唸り声――。
　もしかして、――これは、アタシの声？

　アタシは橘先輩の耳に舌をねじ込んで舐め回し、徐々に首元へと舌を這わせていく。
　孕ませたい――。
　首筋へと舌を這わせていくと、舌先が冷たくて硬い金属に触れた。
　それは、オメガチョーカーだった。

　うなじを噛めない。
　どうして？
　こ(・)の(・)オ(・)メ(・)ガ(・)は(・)ア(・)タ(・)シ(・)の(・)も(・)の(・)な(・)の(・)に(・)――。
　邪魔。
　外してよ、こんなもの――。
　アタシの番になってよ。

　アタシは橘先輩の首とチョーカーの僅かな隙間に指を入れて、力づくでチョーカーを破壊しようとする。
　しかし、金属製のチョーカーはビクともしない。
　アタシは苛立ちと共に、欲望が込み上げてきた。
　溜まった鬱憤を晴らすように、アタシは激しく腰を打ち付ける。
「むっ……、イく……」

「うっ――」
　アタシはそのまま、ナカに欲望を放った。
　すると、橘先輩はビクビク痙攣しながら、アタシの精液を絞り上げようとナカをきつく締め付ける。

　ドッと脱力感が押し寄せてきて、アタシは橘先輩のナカから自身を抜く。
　そして、床に座り込んで、目の前で倒れている橘先輩をボーッと眺める。
　橘先輩のナカから溢れてきた自分の白濁を見ていると、突然我に返った。

　アタシは、一体何を……？
　冷静になると同時に、血の気が引いていく。
　気が付くと、アタシの脳と身体を支配していたフェロモンの匂いも消えていた。

　とんでもないことをしてしまった。
　アタシが狼狽していると、橘先輩が気だるげに身体を起こす。そして、ゆっくりとアタシのほうを見る。
　どうしよう。何て詫びれば――。

　アタシが焦りながら思考を巡らせていると、橘先輩はクスクスと笑う。
　そして、橘先輩はアタシのほうにゆっくりと近づいてきた。
「ふふっ、結構良かったよ。また遊ぼうね」
　橘先輩は艶めかしく頬を赤らめながらそう言うと、そっとアタシに口付けた。