あなたが運命の番ですか?

過ちへの後悔

 甘い香り、柔らかな感触、脳が焼き切れてしまいそうな快楽――。
 アタシの下で、橘先輩は腰を振りながら、「もっと」と強請(ねだ)る。
 すると、アタシの視界に、橘先輩の汗ばんだ()()()が飛び込んできた。
 そして、――アタシは橘先輩のうなじに、思いっきり噛みついた。

 アタシのオメガ。
 アタシだけのオメガ。
 アタシの子供を孕む番。

 アタシが口を離すと、橘先輩のうなじには、赤く血の滲んだ歯型がくっきりと残されていた――。
 
「うわあああああああああああ!!!!?」
 アタシは絶叫しながら、飛び起きた。
 辺りを見渡すと、そこはアタシの自室で、アタシ1人しかいない。

 なんだ、夢か……。
 ホッと胸を撫で下ろしていると、アタシは下腹部にドロッとした感触を覚えた。
 まさか……。
 恐る恐る布団を捲って確認し、アタシは頭を抱えた。
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