あなたが運命の番ですか?
体育祭(閉会)①
「やっぱ、前園をアンカーにして正解だったな」
クラス対抗リレーが終わって退場した後、佐伯は満面の笑みを浮かべながら俺の肩をポンと叩いた。
俺がリレーのアンカーになったのは、佐伯の推薦だ。
俺自身はあまり乗り気でなかったが、他のクラスメイトも口々に「賛成」と言うので断れなかった。
「にしても、前園ってすげぇよな。ほんとに体育以外でスポーツしたことねぇの?」
「何度もそう言ってるだろ」
「あんな走り見せられたら、そりゃ疑うだろ。陸上部の奴ら泣いてたぞ」
佐伯は、茶化すようにケラケラと笑う。
「――前園、ちょっといいか?」
クラステントへ戻る道中、俺は体育教師に呼び止められた。
佐伯は「先、行ってるわ」と言って、俺を残してクラステントのほうへ向かう。
「なあ、前園。今からでも野球部に入らないか?」
野球部の顧問もしている体育教師は、神妙な面持ちで尋ねる。
俺は内心、「またか」と思った。年始の球技大会の時も、体育教師に同じことを言われた。
「すみません、スポーツはちょっと……」
「そ、そうか……。勿体ないと思うんだがなぁ……」
体育教師はそう言って、深くため息を吐く。
「気が変わったら、いつでも言ってくれよ」
「……はい、分かりました」
クラス対抗リレーが終わって退場した後、佐伯は満面の笑みを浮かべながら俺の肩をポンと叩いた。
俺がリレーのアンカーになったのは、佐伯の推薦だ。
俺自身はあまり乗り気でなかったが、他のクラスメイトも口々に「賛成」と言うので断れなかった。
「にしても、前園ってすげぇよな。ほんとに体育以外でスポーツしたことねぇの?」
「何度もそう言ってるだろ」
「あんな走り見せられたら、そりゃ疑うだろ。陸上部の奴ら泣いてたぞ」
佐伯は、茶化すようにケラケラと笑う。
「――前園、ちょっといいか?」
クラステントへ戻る道中、俺は体育教師に呼び止められた。
佐伯は「先、行ってるわ」と言って、俺を残してクラステントのほうへ向かう。
「なあ、前園。今からでも野球部に入らないか?」
野球部の顧問もしている体育教師は、神妙な面持ちで尋ねる。
俺は内心、「またか」と思った。年始の球技大会の時も、体育教師に同じことを言われた。
「すみません、スポーツはちょっと……」
「そ、そうか……。勿体ないと思うんだがなぁ……」
体育教師はそう言って、深くため息を吐く。
「気が変わったら、いつでも言ってくれよ」
「……はい、分かりました」