あなたが運命の番ですか?
昼過ぎ、この日の撮影が終了し、着替え終わったアタシはスタジオの外に出た。しかし、すぐにワイヤレスイヤホンをスタジオ内に忘れたと気づき、慌ててスタジオへ戻る。
「何であの子ばっかり、表紙なんですか!?」
スタジオの中へ入るためにドアを開けようとした瞬間、中から言い争うような声が聞こえてきた。
「今月号も表紙だったのに、来月号まで真琴さんが表紙なんて、納得できません!」
金切り声を上げて編集者さんを責めているのは、今日の撮影で一緒だった2つ年上のモデル仲間だ。
「もしかして、あの子がアルファだから依怙贔屓してるんですか!?それって、差別じゃありませんか!!?」
その言葉を聞いた瞬間、アタシは身体が凍り付いた。
「違う違う!アルファだからとかそういうのじゃなくて、まこちゃんは今のティーンズで1番読者人気が高い子だから……」
編集者さんは必死に弁明する。
編集者さんを責めているモデル仲間は、ベータだ。
アタシは今まで「アルファだから依怙贔屓されている」なんて微塵も思ったことがない。
アタシは、特別な存在ではない。
だけど、それはアタシがアルファだからであって、周りのベータやオメガから見れば優遇されているように見えるのだろうか。
彼女の言う通り、アタシが何度も表紙を飾らせてもらえるのは、アタシがアルファだから?
よく考えてみれば、アタシが起用されたCMも、歴代の主演女優は全て「アルファ」だった。
アタシの実力がどうこうという話ではなく、単にアタシがアルファだという理由で起用されたのだろうか。
別に、アタシのモデル業の実績を認めてもらえたわけではないのかもしれない。
「嫌なことに気づいちゃったな」と肩を落としながら、アタシはドアの前でため息を吐く。
すると、ズボンのポケットの中で、スマホが振動した。
見てみると、橘先輩からメッセージが届いていた。
「今日、時間ある?」
「何であの子ばっかり、表紙なんですか!?」
スタジオの中へ入るためにドアを開けようとした瞬間、中から言い争うような声が聞こえてきた。
「今月号も表紙だったのに、来月号まで真琴さんが表紙なんて、納得できません!」
金切り声を上げて編集者さんを責めているのは、今日の撮影で一緒だった2つ年上のモデル仲間だ。
「もしかして、あの子がアルファだから依怙贔屓してるんですか!?それって、差別じゃありませんか!!?」
その言葉を聞いた瞬間、アタシは身体が凍り付いた。
「違う違う!アルファだからとかそういうのじゃなくて、まこちゃんは今のティーンズで1番読者人気が高い子だから……」
編集者さんは必死に弁明する。
編集者さんを責めているモデル仲間は、ベータだ。
アタシは今まで「アルファだから依怙贔屓されている」なんて微塵も思ったことがない。
アタシは、特別な存在ではない。
だけど、それはアタシがアルファだからであって、周りのベータやオメガから見れば優遇されているように見えるのだろうか。
彼女の言う通り、アタシが何度も表紙を飾らせてもらえるのは、アタシがアルファだから?
よく考えてみれば、アタシが起用されたCMも、歴代の主演女優は全て「アルファ」だった。
アタシの実力がどうこうという話ではなく、単にアタシがアルファだという理由で起用されたのだろうか。
別に、アタシのモデル業の実績を認めてもらえたわけではないのかもしれない。
「嫌なことに気づいちゃったな」と肩を落としながら、アタシはドアの前でため息を吐く。
すると、ズボンのポケットの中で、スマホが振動した。
見てみると、橘先輩からメッセージが届いていた。
「今日、時間ある?」