あなたが運命の番ですか?
 アタシは自宅のリビングのソファに寝転がりながら、今日の橘先輩とのことを思い出す。
 
 ――どうせなら、口移ししてよ。
 ――君も一緒に入ろうよ。

 今日はやけに甘えてきたような気がする。
 いつもなら、もっと素っ気ないのに――。

 ――終わったんだからベタベタしないで、さっさと帰ってよ。

 橘先輩のこと、よく分かんないなぁ……。

 グルグルと考え事をしていると、アタシのお腹の上に何かが飛び乗る感覚があった。
 腹部を見てみると、アメリカンショートヘアのコタロウが、アタシのお腹に乗ってこちらを見つめている。
 コタロウはアタシの目を見ながら、「にゃあ」と小さく鳴く。
 
 撫でてほしいのかな?
 アタシがコタロウの頭や背中を優しく撫でると、コタロウは上機嫌な様子でアタシの胸の上までやって来る。
 今度は喉を撫でてやると、満足げな表情で「ゴロゴロ」と喉を鳴らす。

「今日は甘えん坊だねぇ」
 いつもはアタシが近づいても、すぐにどこかへ行くのに――。
 そう思っていると、コタロウは突然プイッとそっぽを向いて、アタシの上から降りた。
 そして今度は、座椅子に座ってテレビを観ているパパの太ももに擦り寄り始めた。
 それを見たアタシは、少しムッとする。

「気まぐれだなぁ」
 アタシの脳裏には、橘先輩の顔が浮かんでいた。
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