幼なじみは私の秘密の吸血鬼【マンガシナリオ】
第十話 知恵熱
〇回想〇
夢乃「幼なじみって言ってるけどぶっちゃけどうなの?」
夢乃「幼なじみ以上の感情はあるの?」
夢乃「私、恋愛は正々堂々やらせてもらってるから」
夢乃「だからもし二人が付き合ってるっていうなら身を引くけど」
夢乃「そうじゃないなら私も本気でいかせてもらう」
〇回想終了〇
〇朝、姫花の家、姫花の部屋〇
ベッドの上で仰向けになり、目を充血させている姫花
姫花(い……一睡もできなかった……っ)
姫花(昨日の勉強会で愛牧さんに言われたことがずっと頭の中でグルグルしてる~っ)
頭を抱えながら体を起こす姫花
窓を通して隣の家(アルトの家)の方を見る
姫花(アルト……)
学校に行く準備(着替えなど)をしながら考え込む姫花
姫花(私にとってアルトは幼なじみで……)
姫花(……でも)
アルトに血を吸われたシーンを思い返す姫花
姫花(『ツガイ』になってから、なんか……なんだろう、何かが変わった気もする)
姫花(というか、アルトが変わったような気がする)
〇回想〇
アルト「姫花は“ただの”幼なじみじゃなくて、世界で一番大切な幼なじみなんだよね」
アルト「姫花が俺以外の奴と仲良くしてるのが嫌だ」
アルト「姫花が彼氏、とか……絶対むり」
アルト「なんか、凄くおまえに会いたくてたまらなくて……」
キスするシーン
〇回想終了〇
〇朝、外、姫花の家の前〇
姫花(そっ、そうだよ……! いきなりキスもされたし……!)
姫花(それで幼なじみやめるとか言われるし)
姫花(あの時の私は、幼なじみをやめたくなくて必死で……)
姫花(でも……アルトは言ってた)
アルト『おまえがそうなら“今はまだ”幼なじみでいいよ』
アルト『俺のこと、幼なじみ以上に感じたら……そん時はちゃんと言えよ』
姫花「幼なじみ以上……」
アルト「おーっす。おはよ」
考え込んでいた姫花、アルトの登場に驚く
姫花「うわぁっ!?」
アルト「おお!?」
姫花「あ……アルトか。お、おはよう」
アルト「何ボーっとしてんだよ」
アルト、姫花の頭にポンと手を置く
アルト「なんか悩みでもあんのか?」
姫花「……そういうんじゃないけど」
姫花(アルトに言えるわけないよ~~~!)
二人、学校に向かう
〇朝、学校、姫花の教室(1-C)
教室に入る姫花
通りかかった狩夜が近付く
狩夜「おはよう、鷹山さん」
姫花「ああ……おはよう狩夜くん」
狩夜「昨日は勉強会楽しかったね……って、なんか大丈夫? 体調悪そうだけど……」
姫花「あはは、大丈夫。ちょっと考え事しててさ」
狩夜「そうなんだ。無理しないようにね」
姫花「ありがとうー」
よろよろと自分の席へ向かう姫花
そんな姫花をジッと見ている狩夜
姫花(あぁもう、昨日愛牧さんに言われたことがずーっと頭の中でグルグルしてるう~)
夢乃『幼なじみって言ってるけどぶっちゃけどうなの?』
姫花「………」
授業を受けながら心ここにあらずな姫花
姫花(そりゃ……もしアルトに彼女ができたら……)
姫花(たぶん私は嫉妬……すると思う)
姫花(嫌だなって感じると思う)
姫花(でもそれは幼なじみとしてなんじゃないかな?)
姫花(それとも……)
姫花(それとも別の理由で……嫉妬、してる?)
先生「じゃあ鷹山は問い4を答えろー」
姫花「へ!? あ、は、はい!」
先生「おい話聞いてたかー? これは今度の期末テストにも出るんだからな」
姫花「はーい」
慌てて問題を解く姫花
その姿を見ている狩夜
〇午前、休み時間、学校、アルトの教室(1-A)
アルト、紙パックの飲み物をストローで飲んでいる
そこに近寄ってくる夢乃
夢乃「アルトくーん。何飲んでんの?」
アルト「あー? いちごみるく」
夢乃「えー、可愛いんだけどー」
夢乃「ねえねえ、今度また勉強会しようよ。二人で」
アルト「………」
夢乃「駄目?」
アルト「んー、駄目」
夢乃「えー、なんでよ」
夢乃「鷹山さんとは二人で出かけたりしてるんでしょー?」
アルト「あいつは大事な幼なじみだからな」
口をへの字にして頬を膨らませる夢乃
夢乃「それ、ホントに幼なじみなの?」
アルト「さあな」
夢乃「じゃあ……」
アルト「少なくとも俺は、幼なじみ以上に大切に思ってる」
優しく微笑むアルトの横顔を見て、付け入る隙が無いと悟る夢乃
アルト(それにしても今日の姫花はなんか様子おかしかったな)
アルト(なんもないといーけど……)
〇昼、学校、廊下
教室移動中の姫花とみちる
ガンガン喋っているみちると心ここにあらずな姫花
姫花(そりゃあアルトのことは好きだよ?)
姫花(その好きっていうのは、幼なじみだから? それとも……?)
姫花(でも『ツガイ』になってからアルトのことを意識するようになったのは事実)
姫花(だけどそれは『ツガイ』っていう関係になったからじゃないの……?)
姫花(それは恋愛の好きなの……?)
みちる「でさー、そこで私的には……」
振り返るみちる
そこには顔を真っ赤にして立ち尽くす姫花が
みちる「え、ちょ、どうしたの?」
姫花「いや、なんでも、な……」
ふらり、と倒れそうになる姫花
それを抱きとめる狩夜
みちる「……!」
狩夜「……凄い熱だ」
姫花「う……」
狩夜、姫花を背負い保健室に向かう
それを見送るみちる
〇昼、学校、保健室〇
狩夜「………」
近くの椅子に座りながら、保健室のベッドに横になっている姫花を見ている狩夜
姫花、目を覚ます
姫花「ん……」
姫花「あ、れ……? ここは……」
狩夜「保健室だよ、鷹山さん」
姫花「えっ!?」
勢いよく起き上がり、くらっとなる姫花を支える狩夜
狩夜「駄目だよ、まだ安静にしてなきゃ」
姫花「ご、ごめん……ありがとう……」
狩夜「熱があるって先生が言ってたよ」
姫花「熱……」
姫花「まさか考え過ぎて知恵熱出した……?」
一気に恥ずかしくなる姫花
そんな姫花に問いかける狩夜
狩夜「考え事って?」
姫花「え? あー、なんというか」
狩夜「来栖アルトくんのこと?」
ギクリ、とする姫花
狩夜、手を伸ばし姫花の髪先に触れる
狩夜「転校してきた時からずっとそうだった」
狩夜「鷹山さんから彼のニオイがたっぷりする」
姫花「え……?」
狩夜「こんな熱を出すほど彼のことを考えて……」
狩夜「彼は貴女に悪影響を与えているのでは?」
狩夜の視線に拘束される姫花
その時、アルトが現れる
アルト「姫花ー、いるか……って、何してんだてめぇ!」
狩夜を押し退け、姫花の前に立つアルト
狩夜、目を細める
狩夜「……そうやって鷹山さんを守るのは幼なじみだから?」
狩夜「それとも……『ツガイ』だから?」
アルト「!」
姫花「!」
アルト、狩夜を睨みつける
警戒する二人に反し、落ち着き払っている狩夜
アルト「てめぇ……何者だ?」
狩夜「………」
狩夜「俺は……ハンター」
アルト「は?」
狩夜「ヴァンパイアハンターだ」
夢乃「幼なじみって言ってるけどぶっちゃけどうなの?」
夢乃「幼なじみ以上の感情はあるの?」
夢乃「私、恋愛は正々堂々やらせてもらってるから」
夢乃「だからもし二人が付き合ってるっていうなら身を引くけど」
夢乃「そうじゃないなら私も本気でいかせてもらう」
〇回想終了〇
〇朝、姫花の家、姫花の部屋〇
ベッドの上で仰向けになり、目を充血させている姫花
姫花(い……一睡もできなかった……っ)
姫花(昨日の勉強会で愛牧さんに言われたことがずっと頭の中でグルグルしてる~っ)
頭を抱えながら体を起こす姫花
窓を通して隣の家(アルトの家)の方を見る
姫花(アルト……)
学校に行く準備(着替えなど)をしながら考え込む姫花
姫花(私にとってアルトは幼なじみで……)
姫花(……でも)
アルトに血を吸われたシーンを思い返す姫花
姫花(『ツガイ』になってから、なんか……なんだろう、何かが変わった気もする)
姫花(というか、アルトが変わったような気がする)
〇回想〇
アルト「姫花は“ただの”幼なじみじゃなくて、世界で一番大切な幼なじみなんだよね」
アルト「姫花が俺以外の奴と仲良くしてるのが嫌だ」
アルト「姫花が彼氏、とか……絶対むり」
アルト「なんか、凄くおまえに会いたくてたまらなくて……」
キスするシーン
〇回想終了〇
〇朝、外、姫花の家の前〇
姫花(そっ、そうだよ……! いきなりキスもされたし……!)
姫花(それで幼なじみやめるとか言われるし)
姫花(あの時の私は、幼なじみをやめたくなくて必死で……)
姫花(でも……アルトは言ってた)
アルト『おまえがそうなら“今はまだ”幼なじみでいいよ』
アルト『俺のこと、幼なじみ以上に感じたら……そん時はちゃんと言えよ』
姫花「幼なじみ以上……」
アルト「おーっす。おはよ」
考え込んでいた姫花、アルトの登場に驚く
姫花「うわぁっ!?」
アルト「おお!?」
姫花「あ……アルトか。お、おはよう」
アルト「何ボーっとしてんだよ」
アルト、姫花の頭にポンと手を置く
アルト「なんか悩みでもあんのか?」
姫花「……そういうんじゃないけど」
姫花(アルトに言えるわけないよ~~~!)
二人、学校に向かう
〇朝、学校、姫花の教室(1-C)
教室に入る姫花
通りかかった狩夜が近付く
狩夜「おはよう、鷹山さん」
姫花「ああ……おはよう狩夜くん」
狩夜「昨日は勉強会楽しかったね……って、なんか大丈夫? 体調悪そうだけど……」
姫花「あはは、大丈夫。ちょっと考え事しててさ」
狩夜「そうなんだ。無理しないようにね」
姫花「ありがとうー」
よろよろと自分の席へ向かう姫花
そんな姫花をジッと見ている狩夜
姫花(あぁもう、昨日愛牧さんに言われたことがずーっと頭の中でグルグルしてるう~)
夢乃『幼なじみって言ってるけどぶっちゃけどうなの?』
姫花「………」
授業を受けながら心ここにあらずな姫花
姫花(そりゃ……もしアルトに彼女ができたら……)
姫花(たぶん私は嫉妬……すると思う)
姫花(嫌だなって感じると思う)
姫花(でもそれは幼なじみとしてなんじゃないかな?)
姫花(それとも……)
姫花(それとも別の理由で……嫉妬、してる?)
先生「じゃあ鷹山は問い4を答えろー」
姫花「へ!? あ、は、はい!」
先生「おい話聞いてたかー? これは今度の期末テストにも出るんだからな」
姫花「はーい」
慌てて問題を解く姫花
その姿を見ている狩夜
〇午前、休み時間、学校、アルトの教室(1-A)
アルト、紙パックの飲み物をストローで飲んでいる
そこに近寄ってくる夢乃
夢乃「アルトくーん。何飲んでんの?」
アルト「あー? いちごみるく」
夢乃「えー、可愛いんだけどー」
夢乃「ねえねえ、今度また勉強会しようよ。二人で」
アルト「………」
夢乃「駄目?」
アルト「んー、駄目」
夢乃「えー、なんでよ」
夢乃「鷹山さんとは二人で出かけたりしてるんでしょー?」
アルト「あいつは大事な幼なじみだからな」
口をへの字にして頬を膨らませる夢乃
夢乃「それ、ホントに幼なじみなの?」
アルト「さあな」
夢乃「じゃあ……」
アルト「少なくとも俺は、幼なじみ以上に大切に思ってる」
優しく微笑むアルトの横顔を見て、付け入る隙が無いと悟る夢乃
アルト(それにしても今日の姫花はなんか様子おかしかったな)
アルト(なんもないといーけど……)
〇昼、学校、廊下
教室移動中の姫花とみちる
ガンガン喋っているみちると心ここにあらずな姫花
姫花(そりゃあアルトのことは好きだよ?)
姫花(その好きっていうのは、幼なじみだから? それとも……?)
姫花(でも『ツガイ』になってからアルトのことを意識するようになったのは事実)
姫花(だけどそれは『ツガイ』っていう関係になったからじゃないの……?)
姫花(それは恋愛の好きなの……?)
みちる「でさー、そこで私的には……」
振り返るみちる
そこには顔を真っ赤にして立ち尽くす姫花が
みちる「え、ちょ、どうしたの?」
姫花「いや、なんでも、な……」
ふらり、と倒れそうになる姫花
それを抱きとめる狩夜
みちる「……!」
狩夜「……凄い熱だ」
姫花「う……」
狩夜、姫花を背負い保健室に向かう
それを見送るみちる
〇昼、学校、保健室〇
狩夜「………」
近くの椅子に座りながら、保健室のベッドに横になっている姫花を見ている狩夜
姫花、目を覚ます
姫花「ん……」
姫花「あ、れ……? ここは……」
狩夜「保健室だよ、鷹山さん」
姫花「えっ!?」
勢いよく起き上がり、くらっとなる姫花を支える狩夜
狩夜「駄目だよ、まだ安静にしてなきゃ」
姫花「ご、ごめん……ありがとう……」
狩夜「熱があるって先生が言ってたよ」
姫花「熱……」
姫花「まさか考え過ぎて知恵熱出した……?」
一気に恥ずかしくなる姫花
そんな姫花に問いかける狩夜
狩夜「考え事って?」
姫花「え? あー、なんというか」
狩夜「来栖アルトくんのこと?」
ギクリ、とする姫花
狩夜、手を伸ばし姫花の髪先に触れる
狩夜「転校してきた時からずっとそうだった」
狩夜「鷹山さんから彼のニオイがたっぷりする」
姫花「え……?」
狩夜「こんな熱を出すほど彼のことを考えて……」
狩夜「彼は貴女に悪影響を与えているのでは?」
狩夜の視線に拘束される姫花
その時、アルトが現れる
アルト「姫花ー、いるか……って、何してんだてめぇ!」
狩夜を押し退け、姫花の前に立つアルト
狩夜、目を細める
狩夜「……そうやって鷹山さんを守るのは幼なじみだから?」
狩夜「それとも……『ツガイ』だから?」
アルト「!」
姫花「!」
アルト、狩夜を睨みつける
警戒する二人に反し、落ち着き払っている狩夜
アルト「てめぇ……何者だ?」
狩夜「………」
狩夜「俺は……ハンター」
アルト「は?」
狩夜「ヴァンパイアハンターだ」