幼なじみは私の秘密の吸血鬼【マンガシナリオ】
第十四話 告白
アルト「だったら……転校生と仲良くしてろよ」
姫花(アルト――!?)
〇朝、姫花の家、姫花の部屋
ベッドで仰向けに横になっている姫花
姫花「……ぜんっぜん眠れなかった」
姫花「アルト……」
キスしようとしてきたアルトの姿
狩夜のことを口にして怒るアルトの姿
を思い起こす姫花
姫花「………」
姫花(アルト、この部屋に来た時から怒ってた)
姫花(狩夜くんのこと言われて思わず言い返しちゃったけど……)
姫花(でもあの時いったいどうすれば良かったの……?)
〇朝、アルトの家の前
アルトを迎えに行った姫花
しかし出てきたのはアルトの母親
アルトの母親「姫花ちゃん、おはよう~」
姫花「おはようございます……あっ! 今日ってもしかして……」
アルトの母親「うん。満月の日だからアルト、お休みなのよ」
姫花「そ、そうですよね」
アルトの母親「来てくれたのにごめんなさいね~」
姫花、アルトの家を後にして通学路を歩き始める
姫花(こんな時に限って満月の日だなんて……)
姫花(……アルトがいないの、いつも以上に寂しいよ)
〇午前、学校、姫花の教室(1-C)
姫花「はぁあ~~~~~~~」
机に突っ伏してため息をつく姫花
それを見ているみちると狩夜
みちる「朝からずっとあんな感じで……」
狩夜「それは重症だ」
姫花の傍に行く狩夜
狩夜「平気?」
姫花「……うん」
狩夜「来栖くん?」
姫花「うっ……」
狩夜「君を悩ませるという意味では悪い吸血鬼だね、彼は」
姫花「ははは……」
のそのそと体を起こす姫花
姫花「なんでかアルトとすれ違っちゃった……」
狩夜「まあ……そういうこともあるだろうね」
姫花「せっかくアルトのこと好きってわかったのに、何やってんだろ……」
狩夜「その気持ち、来栖くんには伝えたの?」
口を閉じ、顔を赤くして目を反らす姫花
それを見てため息をつく狩夜
狩夜「すれ違うのは、お互いの気持ちがハッキリしていないからじゃないかな」
狩夜「ようは、来栖くんも鷹山さんの気持ちがどうなのかわからなくて不安、とか」
姫花「そう、なのかな?」
狩夜「鷹山さんは?」
姫花「え?」
狩夜「今まで来栖くんに感じた不安って、来栖くんが自分をどう思ってるかどうかじゃなかった?」
姫花「そう……かも……」
眼からウロコといった表情で固まる姫花
狩夜「だから、できるだけ早めにその想いを来栖くんに伝えるべきじゃないかな」
姫花「……そうだね」
姫花、狩夜に向き直る
姫花「ありがと、『ハント』さん」
狩夜「どういたしまして、『タカヒメ』さん」
〇階段
教室移動のため、教科書と筆記用具を持って階段を降りている姫花
姫花(狩夜くん……凄くいいこと言ってくれたな)
姫花(そうだよね。私がハッキリ言わないのがいけないんだ……)
階下から話し声が聞こえてくる
見ると、夢乃と女子たちが会話している
姫花(わ……愛牧さんたちだ)
女子A「夢乃ー。今日来栖くんいなくて寂しいんじゃない?」
夢乃「あー……うん」
女子B「え、なにその感じ。なんかあった?」
夢乃、諦めたような表情を浮かべる
夢乃「昨日、化学の授業で庇ってくれたじゃん?」
女子A「ああ、ね!」
女子B「カッコ良かったよねー」
夢乃「そのあと一緒に保健室行って、その時に……」
女子A「え、まさか……」
女子B「告った!?」
夢乃、頷く
盛り上がる女子たち
目を見開いて驚く姫花
夢乃「告った……けど、駄目だった」
姫花(え……)
夢乃「『気持ちは嬉しいけど、俺はずっと前からこいつだけって決めてる子がいるから』だってさ」
姫花、保健室に入った時に夢乃が泣いていたのを思い出す
姫花(あの時……そうだったんだ……)
女子A「ええーマジか!」
女子B「うわ、つら」
夢乃「ハッキリ言われちゃったよねー」
夢乃たち、階段を降りて去っていく
残された姫花、その場に立ちすくむ
姫花(……アルトは)
姫花、ポロポロと涙を零す
姫花(アルトは、ハッキリ言ってくれてたんだ)
姫花(なのに私は……っ)
しばらく涙を流す姫花
しかしグッと覚悟を決め、涙を拭って顔を上げる
〇夕方、アルトの家、アルトの部屋
ベッドに寝転がり、思案しているアルト
姫花にキスしようとした時のこと
狩夜のことを口にして怒った時のこと
を思い起こすアルト
アルト「くそっ」
アルト「余裕無さ過ぎだろ、俺……」
アルト「かっこわりぃ……」
ベッドの上でうずくまるアルト
不意に扉がノックされる
アルト「あ?」
アルトの母親「アルトー。姫花ちゃん来てるわよー」
アルト「は?」
姫花「お邪魔します……」
控えめに入室する姫花
見つめ合う姫花とアルト
アルトの母親「私ちょっと買い物行ってくるからね~」
アルトの母親、家から出て行く
沈黙が続く二人
アルト「な……なんだよ」
アルト「っていうかわかってんのか? 今日は満月の日なんだぞ」
姫花「わかってる」
姫花「もし血が欲しいならあげるし、キスしたいならすればいいよ」
アルト「は……?」
顔を赤くしながらも、真っ直ぐアルトを見る姫花
姫花「ちゃんと言わなきゃって思うことがあって此処に来たの」
アルト「………」
姫花「アルト」
姫花「私、アルトのこと……」
アルト「待て!」
アルトの言葉にビクリと肩を揺らす姫花
まだ怒っているのかと気にするが、アルトは顔をしかめて言う
アルト「これ以上俺をかっこ悪くさせないでくれ」
姫花「え……?」
ごくり、と喉を鳴らすアルト
アルト「姫花。好きだよ」
アルトからの告白に目を見開く姫花
アルト「幼なじみとしてじゃない。一人の男として、おまえが好きだ」
姫花(アルト――!?)
〇朝、姫花の家、姫花の部屋
ベッドで仰向けに横になっている姫花
姫花「……ぜんっぜん眠れなかった」
姫花「アルト……」
キスしようとしてきたアルトの姿
狩夜のことを口にして怒るアルトの姿
を思い起こす姫花
姫花「………」
姫花(アルト、この部屋に来た時から怒ってた)
姫花(狩夜くんのこと言われて思わず言い返しちゃったけど……)
姫花(でもあの時いったいどうすれば良かったの……?)
〇朝、アルトの家の前
アルトを迎えに行った姫花
しかし出てきたのはアルトの母親
アルトの母親「姫花ちゃん、おはよう~」
姫花「おはようございます……あっ! 今日ってもしかして……」
アルトの母親「うん。満月の日だからアルト、お休みなのよ」
姫花「そ、そうですよね」
アルトの母親「来てくれたのにごめんなさいね~」
姫花、アルトの家を後にして通学路を歩き始める
姫花(こんな時に限って満月の日だなんて……)
姫花(……アルトがいないの、いつも以上に寂しいよ)
〇午前、学校、姫花の教室(1-C)
姫花「はぁあ~~~~~~~」
机に突っ伏してため息をつく姫花
それを見ているみちると狩夜
みちる「朝からずっとあんな感じで……」
狩夜「それは重症だ」
姫花の傍に行く狩夜
狩夜「平気?」
姫花「……うん」
狩夜「来栖くん?」
姫花「うっ……」
狩夜「君を悩ませるという意味では悪い吸血鬼だね、彼は」
姫花「ははは……」
のそのそと体を起こす姫花
姫花「なんでかアルトとすれ違っちゃった……」
狩夜「まあ……そういうこともあるだろうね」
姫花「せっかくアルトのこと好きってわかったのに、何やってんだろ……」
狩夜「その気持ち、来栖くんには伝えたの?」
口を閉じ、顔を赤くして目を反らす姫花
それを見てため息をつく狩夜
狩夜「すれ違うのは、お互いの気持ちがハッキリしていないからじゃないかな」
狩夜「ようは、来栖くんも鷹山さんの気持ちがどうなのかわからなくて不安、とか」
姫花「そう、なのかな?」
狩夜「鷹山さんは?」
姫花「え?」
狩夜「今まで来栖くんに感じた不安って、来栖くんが自分をどう思ってるかどうかじゃなかった?」
姫花「そう……かも……」
眼からウロコといった表情で固まる姫花
狩夜「だから、できるだけ早めにその想いを来栖くんに伝えるべきじゃないかな」
姫花「……そうだね」
姫花、狩夜に向き直る
姫花「ありがと、『ハント』さん」
狩夜「どういたしまして、『タカヒメ』さん」
〇階段
教室移動のため、教科書と筆記用具を持って階段を降りている姫花
姫花(狩夜くん……凄くいいこと言ってくれたな)
姫花(そうだよね。私がハッキリ言わないのがいけないんだ……)
階下から話し声が聞こえてくる
見ると、夢乃と女子たちが会話している
姫花(わ……愛牧さんたちだ)
女子A「夢乃ー。今日来栖くんいなくて寂しいんじゃない?」
夢乃「あー……うん」
女子B「え、なにその感じ。なんかあった?」
夢乃、諦めたような表情を浮かべる
夢乃「昨日、化学の授業で庇ってくれたじゃん?」
女子A「ああ、ね!」
女子B「カッコ良かったよねー」
夢乃「そのあと一緒に保健室行って、その時に……」
女子A「え、まさか……」
女子B「告った!?」
夢乃、頷く
盛り上がる女子たち
目を見開いて驚く姫花
夢乃「告った……けど、駄目だった」
姫花(え……)
夢乃「『気持ちは嬉しいけど、俺はずっと前からこいつだけって決めてる子がいるから』だってさ」
姫花、保健室に入った時に夢乃が泣いていたのを思い出す
姫花(あの時……そうだったんだ……)
女子A「ええーマジか!」
女子B「うわ、つら」
夢乃「ハッキリ言われちゃったよねー」
夢乃たち、階段を降りて去っていく
残された姫花、その場に立ちすくむ
姫花(……アルトは)
姫花、ポロポロと涙を零す
姫花(アルトは、ハッキリ言ってくれてたんだ)
姫花(なのに私は……っ)
しばらく涙を流す姫花
しかしグッと覚悟を決め、涙を拭って顔を上げる
〇夕方、アルトの家、アルトの部屋
ベッドに寝転がり、思案しているアルト
姫花にキスしようとした時のこと
狩夜のことを口にして怒った時のこと
を思い起こすアルト
アルト「くそっ」
アルト「余裕無さ過ぎだろ、俺……」
アルト「かっこわりぃ……」
ベッドの上でうずくまるアルト
不意に扉がノックされる
アルト「あ?」
アルトの母親「アルトー。姫花ちゃん来てるわよー」
アルト「は?」
姫花「お邪魔します……」
控えめに入室する姫花
見つめ合う姫花とアルト
アルトの母親「私ちょっと買い物行ってくるからね~」
アルトの母親、家から出て行く
沈黙が続く二人
アルト「な……なんだよ」
アルト「っていうかわかってんのか? 今日は満月の日なんだぞ」
姫花「わかってる」
姫花「もし血が欲しいならあげるし、キスしたいならすればいいよ」
アルト「は……?」
顔を赤くしながらも、真っ直ぐアルトを見る姫花
姫花「ちゃんと言わなきゃって思うことがあって此処に来たの」
アルト「………」
姫花「アルト」
姫花「私、アルトのこと……」
アルト「待て!」
アルトの言葉にビクリと肩を揺らす姫花
まだ怒っているのかと気にするが、アルトは顔をしかめて言う
アルト「これ以上俺をかっこ悪くさせないでくれ」
姫花「え……?」
ごくり、と喉を鳴らすアルト
アルト「姫花。好きだよ」
アルトからの告白に目を見開く姫花
アルト「幼なじみとしてじゃない。一人の男として、おまえが好きだ」