せ、の字も知らないくせに
カンナはずっと幼馴染のセイに馬鹿にされてきた人生だった。勉強も平均以下で、いつも笑われたし運動もほどほどである。劣等感って言葉を私に教えたのはセイだと思う。
いつだって私の一歩、二歩先に行ってる。高校はセイが進学校で私の偏差値じゃ追いつけなかったから通うことはできなかった。でも、今日セイを出し抜くことができたのだ。だからどうしても今日会いたいのだ。セイの家の前でぐるぐると回りながら待つ。
…うぅ、さっむ。何で今日に限って遅いの。
しかもおばさん今日いないし。
いつもだったら窓から灯りが漏れていて、インターホンを押したら出てくれるのに。
そうこうしているうちに三十分くらい経った。ざ、と足音が聞こえて縋る思いで振り向くとセイがいた。
「うわ、バカカンが家の前にいる」
相変わらず腹立つ。品の良さそうな茶色のブレザーに緑色のチェックのズボンが進学校感増しててより腹立たしい。
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