貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「いい加減になさい! ららかが羨ましいからって、なんなの!」
「違うって言ってるじゃない!」
 ららかは怒るが、英里子は鼻に皺を寄せ、憎しみを隠そうともせずららかを睨んでいる。

「なんでわからないのよ!」
 他人である迅は一発で見抜いたのに。
 ららかは落ちたユリを踏みにじった。

「ららか、いつの間に来たの? やっぱりららかのほうがお気に召しまして?」
 迅の隣に立つ百合花を見て、英里子は媚びるように迅に言う。

「奥様……」
 百合花は悲しげに母を見つめた。
 こぼれた声に、ようやく英里子は気が付く。

「まさか、あんたが百合花!?」
「やっとわかってくれたの!? 百合花に服をとられたの!」
 ららかが大声で叫ぶ。

「とられたって……」
 英里子は困惑する。どう見ても百合花が最初に着ていたワンピースのほうが上質で、ららかの服を奪う理由がわからない。

「いい加減に悪あがきはやめろ」
 迅があきれたように言う。
 そのときだった。真哲と護衛が、ふてくされた龍耶とびくびくしている倫太郎とともに部屋に入って来る。倫太郎は手に封筒を持っていた。
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