貴方が結ぶ二重螺旋 ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
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ららかは必死に走り、会場に駆け込んだ。その勢いに人々が驚き、彼女を見つめる。
かまわずららかは会場を見回し、目的の人物を見つけて顔を輝かせた。
「ママ!」
声を上げると、英里子が振り返った。
「ママ、助けて!」
英里子はとびつくららかに驚き、次いで追い掛けて来た迅と百合花にも目を丸くする。
「どうしたの、百合花」
かけられた声にららかは顔を歪めた。
「私よ、ららかよ!」
「え……?」
英里子は困惑を浮かべ、ららかと百合花を見比べている。
ららかは苛立った。迅は一発で見分けたというのに、実の母が愛娘を見分けられないなんて。
「蒔田夫人」
迅が怒りをひそめた声を英里子にかける。
「私は今、あなたの娘の悪質な行為に腹を立てている」
「まったくこの娘はなにをさせてもダメで、本当に申し訳ありません」
百合花に扮したららかの頭をぐっと押さえつけて英里子が言う。髪が乱れ、挿していたユリが落ちた。
通常ありえない英里子の発言に、ららかは咎める声をあげる。
「違うの、私がららかなの!」