貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「楽しいの、大人ばっかりだよな」
「……うん」
 彼女は言葉少なに頷く。

「服、ジュースを零したの? それで泣いてたのか?」
「お姉ちゃんにかけられた。ワンピースも破られたの」

「ひでえ。親に言った?」
「お母さんは見てたけど、私が怒られた」

「なんだよそれ!」
 彼の大きな声に、彼女はびくっとした。

「俺が文句言ってやる!」
「やめて、余計に怒られちゃう!」
「もっとひでえ!」
 迅が憤慨するのを見て、彼女は困惑したように眉を下げる。

「俺が弁護士だったらびしっと言ってやって刑務所に送ってやるのに」
 弁護士をよく理解していない迅が断言すると、彼女は目を丸くした。

「この前テレビで見たんだ、弁護士が悪いやつを捕まえるやつ!」
 弁護士が犯罪者を追い詰めている推理ドラマを中途半端に見て、迅は弁護士の仕事内容を誤解していた。

「弁護士ってすごいんだね。私、テレビを見せてもらえないからわからなかった」
「それもひでえな!」
 憤る彼に、さらに彼女は困惑した。

「よし、決めた!」
 彼はそう言ってすくっと立ち上がる。
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