貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
 百合花は迷う。彼の救出が失敗して連れ戻されたらどんな目に遭うのだろう。

 だが、もうすでに、ららかではないことはバレている。
 この縁談は破談となるだろう。そうなればららかや母から激しい叱責を受ける。それは折檻を伴うかもしれない。

 どうせそうなる運命ならば。
 百合花はぎゅっと目を閉じた。
 賭けてみたい。ここから救い出される可能性に、彼に、賭けてみたい。

 百合花は目を見開くと彼を見上げた。
「助けて……ください」
「わかった」
 迅は即座に頷く。

「必ず助ける」
 力強いその言葉に、百合花の瞳から光る雫がぽたりとこぼれた。
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