貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「ただいま参ります」
 インターホンを切って玄関に向かう。解錠してドアを開けると、金髪の男がかっこつけて立っていた。黒いシャツの生地はてかてかしていて、ペーズリーの地模様がうるさいほどに賑やかだ。グレーのネクタイには金色のラインが入っていて、きらきらしている。

「おせーよ。汗かいたじゃねーか」
 カラーコンタクトの青い目で、彼は百合花を睨む。
「申し訳ございません」
 ふん、と鼻で笑って靴を脱ぎ散らかし、男はずかずかと入り込む。きつい香水が百合花の隣を通り過ぎた。

 百合花は彼の靴をそろえてから慌てて追いかけた。
 男の前に先回りし、開いたままのリビングのドアをノックする。

西園寺龍耶(さいおんじ りゅうや)様がお越しです」
「龍耶!」
 ららかが嬉しそうな声を上げる。

「お待たせ、今日も綺麗だな」
 リビングに入った龍耶が愛し気にららかを抱き寄せ、頬にキスをする。

 龍耶はららかが入れあげているホストだ。母がいない間に家に入れることがなんどもあって百合花も知っている。彼が来ていることがバレたときには百合花のせいにされて母から折檻を受けた。だからといって家に入れないとららかに罵倒され、物を投げつけられる。

「お前のイメージで作らせた。愛してるよ、ららか」
 抱きかかえるほどのバラの花束に、ららかは満足そうな笑みを浮かべた。
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