貴方が結ぶ二重螺旋 ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「このフロランタン、奥様と一緒に作ったんです。作るのが初めて楽しく思えました。お口に合うといいのですけど」
どきどきしながらうつむいたまま言う。
お菓子を作るときはたいてい英里子かららかの命令で、お店レベルを求められて必死になるばかりだった。バレンタインにはららかの代理で大量のチョコレート菓子を家事の合間に作らねばならず、ラッピングもかわいくしろと命令されて大変だった。
「そんなに固くならないでくれ。とは言っても、君には嫌なことを話すかもしれない」
慎重な前置きに、百合花は背筋をピンを伸ばした。きっと実家のことに違いないだろうから。
迅はゆったりとコーヒーを飲み、それから切り出す。
「今日、君のお父さんと話をした」
「はい」
「君と婚約をしたいと言ったら、喜んでくれたよ」
「そうですか」
百合花は驚きとともに複雑な気持ちになった。いつも仏頂面の父がどのように喜んでいるのか想像がつかない。
「こちらへの滞在許可ももらった。大人なんだから許可は本来必要ないんだがな」
とはいえ、無駄なやりとりを減らすためには許可の形をとるのが一番安全だった。
「君のお母さんは不服そうだったが、とりあえずは伝えた」
「はい、あの、姉は……」
「話をしていないから様子はわからない。だが問題ない」
きっぱりと言う迅が頼もしくなった。
姉はきっと怒り狂っている。部屋に置いてあるスマホには着信がすごいに違いない。この場にいたら罵倒とともに殴打が降って来たかもしれない。
どきどきしながらうつむいたまま言う。
お菓子を作るときはたいてい英里子かららかの命令で、お店レベルを求められて必死になるばかりだった。バレンタインにはららかの代理で大量のチョコレート菓子を家事の合間に作らねばならず、ラッピングもかわいくしろと命令されて大変だった。
「そんなに固くならないでくれ。とは言っても、君には嫌なことを話すかもしれない」
慎重な前置きに、百合花は背筋をピンを伸ばした。きっと実家のことに違いないだろうから。
迅はゆったりとコーヒーを飲み、それから切り出す。
「今日、君のお父さんと話をした」
「はい」
「君と婚約をしたいと言ったら、喜んでくれたよ」
「そうですか」
百合花は驚きとともに複雑な気持ちになった。いつも仏頂面の父がどのように喜んでいるのか想像がつかない。
「こちらへの滞在許可ももらった。大人なんだから許可は本来必要ないんだがな」
とはいえ、無駄なやりとりを減らすためには許可の形をとるのが一番安全だった。
「君のお母さんは不服そうだったが、とりあえずは伝えた」
「はい、あの、姉は……」
「話をしていないから様子はわからない。だが問題ない」
きっぱりと言う迅が頼もしくなった。
姉はきっと怒り狂っている。部屋に置いてあるスマホには着信がすごいに違いない。この場にいたら罵倒とともに殴打が降って来たかもしれない。