貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
 それがようやく解決するかもしれない。
 そろそろ百合花も落ち着いた頃だ。
 今夜、帰ったらあのユリのチャームについて聞いてみよう。

***
 
 聞きたいことがあるから時間がほしい。
 迅からそうメッセージが届いて、百合花はどきっとした。

 聞きたいことってなんだろう。
 気になるが、仕事中だと思うとこちらかは尋ねることはできず、了解の返事だけをした。

 夜になり、夕食を終えた時間に迅が帰って来た。
 春子は言い含められていたのか、迅が帰って来ると同時に自室へ引き上げる。

 食事はすでに済ませたと言う彼はスーツのままリビングに向かい、百合花はコーヒーを淹れて、春子と一緒に作ったお手製フロランタンをお茶うけに持って行った。
 彼はひとり掛けのソファに座っていたから、配膳を終えた百合花はその正面、三人掛けのほうに座る。

「コーヒーありがとう」
「はい」
 微笑を浮かべる迅に、百合花はどきっとして頷く。初めて見る彼の笑顔はなんだか眩しかった。

 ふたりきりになるのはお見合いの日以来だ。
 勝手に親しみを感じ、勝手に失望し、弁護士の彼ならそんな自分を見抜いているかもしれないと思うと緊張がいっそう高まる。
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