貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「なんで私だなんて言うのよ」
 ららかの文句に龍耶はまた顔をしかめた。
「本当のことだろうが」
「こういうときに庇わないなんて、ぜんぜん男らしくない」
 身代わりになれとでもいうのか。ろくでもない女だ。龍耶は心の中で毒づく。

「単独の事故でも通報してくださいね。免許証をお願いします」
 警官に言われ、ららかはふてくされて免許証を出す。

「蒔田百合花さんね。……お酒飲んでますか?」
「ちょっとだけ。だいぶ前よ」

「確認のために検査させていただきます」
「嫌よ、なんでよ!」
「ららか」
 抵抗するららかに、咎めるように龍耶が言う。

 警察ともめるのは避けたい。ただでさえホストは警察からよく思われていない。
 パトカーからアルコール検知器を出して、息を吹きかけろと言われる。ららかが仕方なく息をふきかけると、酒気帯びの判定が出た。

「0.15ミリグラム以上、0.25ミリグラム未満、酒気帯び運転ね。違反点数は十三点。駄目ですよ、飲んだときは運転しちゃあ」
「飲んだのは七時頃よ!」
 ららかはむっとして反論する。が、赤い顔からはそれが嘘であることがバレバレだ。

「お前、酒飲んで運転したのかよ!」
 龍耶は唖然として叫ぶ。自分が仕事で飲酒をしたせいか、ららかの酒の臭いには気付いていなかった。飲酒運転と知って同乗していたら自分まで違反にされる可能性がある。巻き添えはごめんだ。
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