貴方が結ぶ二重螺旋  ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「どちらかへお出掛けですか?」
「ちょっと買い物に行きます」
「お供いたします」

 百合花はドン引きした。こんないかつい男性たちをひきつれていたら悪目立ちしそうだ。
 断ることもできずに居心地悪く出かけ、周囲にじろじろ見られながら買い物を済ませた。

 迅が帰って来たら、すぐにそのことを報告した。
「……それで、目立ってしまって困ります」
「それは悪かった」
 迅は笑って謝るが、護衛を下げる気はなさそうだった。

「本当は女性のボディーガードがいいんだが、女性は今はいないそうなんだ。しばらく我慢してくれ。護衛の仕方や服装については変えてもらうように頼むよ」
「せめてそうしてください」
 百合花はうなだれてそう答えた。

「意外に過保護なんですね」
「君に対してだけだ」
 甘い眼差しで見つめられ、百合花はどきっと目をそらした。

「おなかすいてますよね。ごはん、作ってありますから温めます」
 百合花は早足でキッチンに逃げ込む。
「ああ、逃げられた」
 くすくすと笑う迅の声が百合花の背を追った。

 夕食をいただいているときに、迅から驚くことを言われた。
「婚約披露パーティーを開くからそのつもりで」
 百合花は二の句が継げなかった。
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