クールな天才作家は彼女を激愛で溶かしたい
態度が一変した健司に飛鳥も少し戸惑っている。

「ああ。俺が不知火飛鳥だ」

「いーや。ヤバいわ。マジか。なんか俺、どうしよう。えー、まじか。ちょっと、パニックっすわ」

そう言ってごにゃごにゃ言いながらもずっと飛鳥の手を両手で握っている。

「健司! 手! 離してよ!」

「あ! すんません!」

「いや…」

「あー。はい。そすか。そすね。うん」

腰に手を置いて上を向いたり下を向いたり忙しない健司。

「はぁー」

そしてついには下を向いたままその場にしゃがみ込んでしまった。

「健司!?」

「わかりました。きっと先生は里帆を大事にしてくれるっすよね。こんなとこまで追いかけて来るくらいだし」

「ああ、だから言ってるだろ」

健司はゆっくり立ち上がると飛鳥を見る。

「飛鳥さん。とりあえず一回休戦です。でもこの先何かあれば吹っ飛んで行きますんで。じゃ」

そう言って最後に私の頭をガシガシっと乱暴な手付きで撫で回すと健司は走って行ってしまった。
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