婿入り希望の御曹司様とCool Beautyな彼女の結婚攻防戦〜長女圭衣の誰にも言えない3つの秘密〜花村三姉妹 圭衣と大和の物語
紫道の地元は東京の北側にある。東京最北端にある繁華街とも言われるこの地域は、どことなく私の地元を思い浮かばせてくれる。
少し雑多で、温かくて、肩の力が抜けるような街並み。まっすぐに伸びた商店街の途中、一本裏へ入った路地に、その店はあった。
赤提灯が目を引く、昔ながらの焼き鳥屋。外からでもわかる香ばしい匂いに、お腹が思わずきゅるっと鳴りそうになる。
引き戸を開け、暖簾をくぐる。
「いらっしゃい!」
威勢の良い声が店内に響いた。カウンター越しで焼き鳥を焼いている男性は、私たちと同じくらいの年齢に見える。その人がこちらを見ると、顎をクイッと上げて軽く頷いた。
紫道の後ろをついて、2階へと上がる。1階はカウンター席とテーブル席が並ぶ賑やかな空間だったけれど、2階は落ち着いた個室仕様になっている。
引き戸を開けると、4人掛けのテーブルがひとつ。窓の外には、行き交う人々の姿が小さく見える。
やがて注文した料理と生ビールが届き、紫道と軽くグラスを合わせて『おつかれ』と声を交わす。
大好きな鶏皮のタレ串を一口頬張り、熱々の旨みをビールで流し込むとようやく、少しだけ心が落ち着いてきた。
でも……。
紫道の視線には、ずっと気づいていた。出会ってから長い付き合いになる彼のこと。何かを聞きたがっているのは、私にだってわかっていた。
目を合わせないようにしていたけれど、もう限界だ。ゆっくりと顔を上げ、紫道と目を合わせる。
「……、俺にも言えないことか? こんなに痩せて……。何があったんだ?」
やっぱり、気づかれてたんだ。
私、そんなに痩せたのかな。鏡を見る余裕もなかったから、気づかなかった。
紫道には……、嘘も、ごまかしも、通じない。
ここまで来たら、隠しきれない。だから私は、まず“結果”から話すことにした。
少し雑多で、温かくて、肩の力が抜けるような街並み。まっすぐに伸びた商店街の途中、一本裏へ入った路地に、その店はあった。
赤提灯が目を引く、昔ながらの焼き鳥屋。外からでもわかる香ばしい匂いに、お腹が思わずきゅるっと鳴りそうになる。
引き戸を開け、暖簾をくぐる。
「いらっしゃい!」
威勢の良い声が店内に響いた。カウンター越しで焼き鳥を焼いている男性は、私たちと同じくらいの年齢に見える。その人がこちらを見ると、顎をクイッと上げて軽く頷いた。
紫道の後ろをついて、2階へと上がる。1階はカウンター席とテーブル席が並ぶ賑やかな空間だったけれど、2階は落ち着いた個室仕様になっている。
引き戸を開けると、4人掛けのテーブルがひとつ。窓の外には、行き交う人々の姿が小さく見える。
やがて注文した料理と生ビールが届き、紫道と軽くグラスを合わせて『おつかれ』と声を交わす。
大好きな鶏皮のタレ串を一口頬張り、熱々の旨みをビールで流し込むとようやく、少しだけ心が落ち着いてきた。
でも……。
紫道の視線には、ずっと気づいていた。出会ってから長い付き合いになる彼のこと。何かを聞きたがっているのは、私にだってわかっていた。
目を合わせないようにしていたけれど、もう限界だ。ゆっくりと顔を上げ、紫道と目を合わせる。
「……、俺にも言えないことか? こんなに痩せて……。何があったんだ?」
やっぱり、気づかれてたんだ。
私、そんなに痩せたのかな。鏡を見る余裕もなかったから、気づかなかった。
紫道には……、嘘も、ごまかしも、通じない。
ここまで来たら、隠しきれない。だから私は、まず“結果”から話すことにした。