色褪せぬ恋のポラロイド

切なげな表情を浮かべる慧吾様。

かと思えば、急に「何て、鈴を困らせるようなこと言ってごめん!」と言い、慧吾様は微笑んでベッドから立ち上がった。

「もう、、、からかうのは、やめてください。」
「別にからかったつもりはないよ?さっき言ったのは本心。」

そう言って、慧吾様はわたしの目の前に立つ。

わたしはドキドキしながら、慧吾様を見上げた。

慧吾様、、、身長高くなったなぁ。
それと、距離が、近い、、、。

すると、慧吾様はわたしの頬を両手で挟み、それから頭にキスをした。

そしてわたしの顔を覗くと、「今日はこれで許してあげる。」と言ったのだ。

わたしの心拍数は更に上がっていく。

慧吾様ったら、、、やっぱり外国暮らしが長かったから、そんなことをサラッと出来るようになってしまわれて、、、!

「じゃあ、そろそろ部屋に戻るよ。」

そう言って、慧吾様はドアの方へ向かって歩き出す。

そして、ドアノブに手を掛け、こちらを振り向くと「でも、鈴が俺の嫁になってくれた時には、これだけじゃ終わらないからね?」とヘヘッと笑い、ドアノブを回し、ドアを開けると「おやすみ、鈴。」と優しく囁くように言って、慧吾様はわたしの部屋から出て行ったのだった。

< 21 / 36 >

この作品をシェア

pagetop