色褪せぬ恋のポラロイド
「慧吾、、、様?」
そよ風に靡く黒髪に前髪はセンター分けにセットされ、クールな瞳に左目の下にホクロ。
あの頃より身長もグンと伸び、スラッとした体型で誰もが振り向くような容姿端麗な青年の姿になった慧吾様に、わたしは少しドキッとしてしまった。
「ただいま。」
「おかえりなさいませ。、、、あ、旦那様たちに知らせて来ますね!」
わたしは慧吾様との再会に照れてしまい、慌てて裏口のドアから中に入ると、ダイニングルームのドアを開け「慧吾様がお戻りになりました!」と旦那様たちに伝えた。
その後、久しぶりにご帰宅された慧吾様の姿に旦那様と奥様は嬉しそうだった。
陰では静恵さんが「やだぁ、慧吾様ったら、あんな男前になられて。」と惚れ惚れしていた。
静恵がそう言うのも無理はない。
慧吾様は、本当に素敵な男性になられていた。
8歳も年下なのに、ドキッとしてしまった自分が恥ずかしい。
「さぁ、明日は慧吾様の誕生日パーティーだから、わたしたちも早めに休みましょう!」
静恵さんの言葉にわたしは「そうですね。」と言うと、自分の部屋に戻り、寝支度を整えた。
慧吾様が20歳かぁ、、、
初めて会った時は10歳だったのに。
そう思うと感慨深く、わたしは年月の早さを沁み沁みと感じながら眠りについたのだった。