パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 あの日から一か月ほどが過ぎた今もなお、私は彼のためにどうすべきか、ずっと考え続けている。

 戦闘機パイロットである彼に、〝父親〟を背負わせたくはない。
 だからもし、伊澄さんがこちらのことを気にせず任務に当たってくれるのならば、それがいいと思う。

「そう? わがままのひとつくらい、言ってもいいと思うけれど」

 黒木さんはそう言ったけれど、私は首を横に振った。

「今くらいが、ちょうどいいんです。今まで、少し会いすぎてたなって」
「ずっと会いたかったのは、俺だけってことか?」

 背後から不意に聞こえたその声にドキッとして、はっと振り返る。フライトスーツ姿の伊澄さんが、複雑そうな顔でそこに立っていた。

 私は慌てて指輪に触れていた手を離した。
 今日会えるなど、聞いていない。

「少しでも千愛里に会えないかと思ったんだ。会えて、良かった」

 彼はそう言うと、黒木さんにアイスコーヒーを注文した。
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