パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「見ていてくれた?」

 彼が目の前までやって来た時、そう言って微笑んだ。私はぎこちなく頷く。

 すると、彼が途端に破顔する。
 その表情に、彼の飛行を思い出し、目頭が熱くなる。

「あれは、私のためって思ってもいいんですか?」
「もちろん。千愛里のために飛ぶって、伝えただろう」

 彼はそう言って、私の頬に大きな手を伸ばす。そのまま、目尻にたまっていた涙を拭ってくれた。

「なかなか会えなくて悪かった。この練習で、松島まで行っていたんだ。でも、いつも千愛里を想っていた」

 私はふるふると首を横に振った。
 負担になっていないなら、それでいいと思っていた。だけどまさか、ずっと私を想っていてくれたなんて。

「前も言ったけれど、俺は千愛里と生きたいんだ。いつも俺に飛ぶ理由をくれるのは、千愛里だから」

 じっと見つめられ告げられたその言葉に、胸がぎゅうっとつかまれたように苦しくなる。
 だけど同時に、幸せに満たされる。
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