パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「駐車場から車取ってくる。千愛里の家の前に回すよ。小松まで、送る」
「でも――」

 深刻そうな顔でそう言う大雅に、私は口を開いた。
 彼にとって、航空祭は由芽さんとの数少ないデートのチャンスだ。
 にもかかわらず、大雅は私の言葉を遮って続ける。

「小松まで行くなら、子どもたちも連れて行くだろう?」

 彼の言葉で、そのことに気づいた。焦ってばかりで、どうやら頭は回っていなかったらしい。

「千愛里は由芽ととにかく家に帰って、出かける準備しておいて。いいな」

 大雅はそう言うと、私がなにか言う前にその場から駆け出してしまった。

「千愛里さん、私たちも」

 そう由芽さんに言われ、こくりと頷く。ふたりはとても頼もしい。

 お父さん、どうか無事でいて。
 私はそう願いながら、由芽さんと家路を急いだ。
< 199 / 292 >

この作品をシェア

pagetop