パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「本当に、それでいいのか?」

 私はこくりと頷いた。

「伊澄さんとは、別れる。そもそも、まだ二十五なのに、恋した私がいけなかったの。最初で最後の恋の相手が、彼で良かった」

 泣きそうになってしまったから、私は笑みを浮かべた。

 彼と恋をしてよかった。恋をするのが幸せなことだと知れて、よかった。
 彼との思い出があれば、私は大丈夫だ。

「千愛里……」

 まだなにか言いたそうな大雅の呟きを振り切るように、私は口を開いた。

「そろそろ、帰らないと。また、お父さんになにか言われちゃう」
「困ったときは、絶対頼れよ」

 彼の言葉を遮るように背を向け、バス停へと向かった。
 本降りの雨が、私の肩を濡らす。もうすぐ六月だというのに、とても寒い。だから私は足早に歩いた。

 バス停へ着くと、決意がぶれぬうちにスマホを取り出し、震える指で彼へのメールを作成した。

【アラスカに行く日の朝、少しでいいからお会いできませんか?】

 伊澄さんがアラスカに発つ直前でないと、引き止められてしまいそうで怖い。だから彼には、その日の朝に話そうと思った。

 意を決して、私は送信ボタンをタップした。彼との未来に、決別するために。
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