佐藤先輩と私(佐藤)が出会ったら
6人でゴールを守り切り、こっちのボールになった。
「ラスト12秒!!!」
相手チームもゾーンではなく最初からディフェンスについてきて、それも佐藤先輩には3人もついている。
それを見て、私は走った。
そして思った通りの場所とタイミングで、佐藤先輩が相手の股の間からワンバウンドのパスを出してきた。
それを受け取り私達のゴールへと目指す。
今日イチ良い動きが出来ている先輩にパスを出すと、先輩が無理にゴールを目指そうとした。
でも・・・
「まだです!!!」
ディフェンスもしっかりついているので止めると、そのタイミングで他の先輩がパスを受けてくれた。
「1本!!確実に!!!」
私が"1本”のポーズをすると、先輩達が一旦広がり体勢を整える。
その瞬間・・・
私は"影”を"背中”で見て、片手で背中からフッ……………とボールを渡した。
パスではなく、渡した。
私の背中ギリギリを通り過ぎた佐藤先輩に、渡した。
私についていたディフェンスの先輩が私の手から消えているボールを一瞬探し、その一瞬で佐藤先輩が中に突っ込んでいく。
それを私は"上”から見る。
ディフェンス達の声を聞き、佐藤先輩よりも大きな大きな先輩達がゴールの前の壁となり佐藤先輩の前で跳んだ。
それを、私は"先”に見た。
私"も”先を見た。
佐藤先輩だって絶対に見ているはず。
だって佐藤先輩は私の師匠で・・・
私は・・・
「絶対に止めろ!!!!」
相手チームにいるキャプテンが叫び、3人の大きな先輩達が壁となった。
佐藤先輩はそこに強引に突っ込んでいき、シュートを決める為に跳んだ。
「いや違う・・・!!!パスだ!!!!
ゴール下!!!!」
相手チームのキャプテンの声に、空中にいる3人の先輩が"は!?そんなスペースなかっただろ!?”という顔をしているのは想像し、こんなに小さな小さな私だから入れるスペースから走り込んだ私は笑った。
「私も、魔法使いの弟子なので。」
シュートのフェイントをかけた佐藤先輩が、空中でそのボールをゴール下に入り込んだ私に渡してきた。
今のはパスだけど、あまりにも私の手にピタッと入るから"渡された”という感覚。
佐藤先輩から渡されたこのボールを持って、私はシュートをした。
久しぶりに、ゴールに向かってシュートをした。
気持ち良かった・・・。
めっっっっちゃ気持ち良かった・・・。
ゴールをした瞬間の気持ち良すぎる音が、左膝がダメになった瞬間の恐怖の音を、掻き消した・・・。
左膝はやっぱりもう、痛くはなかった・・・。
「キャァァァァァ―――――――――ッッッッ!!!
晶せんぱーーーーーーーーい!!!!」
「ゎっ」
磯貝さんが私に抱きついてきて、それには大きく笑った。
同じチームの先輩達も私に近付いてきてくれ、私の頭をテキトーに撫でてくれた。
そんな私のことを佐藤先輩が嬉しそうな顔で見ていて、私は笑いながら佐藤先輩に片手を伸ばした。
「体育館裏でやってたバスケよりも楽しかったかも!!」
磯貝さんに抱き締められている私に向かって佐藤先輩が歩いてきて、片手を私に伸ばしてきた。
そして、佐藤先輩の手が私に触れ・・・
「・・・・・・っっ!?」
磯貝さんの身体から強い力で私の身体は引き離され、そして・・・
「・・・・・っっ」
私の身体は"あっ"と思った瞬間には佐藤先輩に抱き締められた。
「俺も・・・。」
汗だくの佐藤先輩が汗だくの私のことを苦しいくらいに抱き締めてくる。
「俺も、体育館裏でしたバスケよりもめちゃくちゃ楽しかった・・・。
晶と遊ぶバスケはやっぱり楽しかった・・・。
俺が1番好きなスポーツは晶と遊ぶバスケットボールで・・・それで、俺が1番好きな女の子は・・・俺、俺・・・晶のことが、好きだ。」
またその言葉を言ってくれた佐藤先輩に私は嬉しい気持ちと複雑な気持ちで笑った時、土屋先生が佐藤先輩の背中をバンッと叩いた。
「いくら兄貴とはいえマネージャーに堂々と手ぇ出してるんじゃねーよ!!
佐藤、膝大丈夫か?」
土屋先生に無理矢理引き離された佐藤先輩がめっちゃ不満そうな顔をしているのを視界に入れながら頷く。
「大丈夫です、なんかすみませんでした。」
「いや、こっちとしてはありがとうだった。
上にはもっと上がいるからな。
竜也を徹底的に攻略してきて潰されることもある。
ラスト1クォーター、死に物狂いで戦わないと掴めない勝負もある。
そんな時まで”忍び"”忍者"・・・あと何だっけ?
まあ、そんなやつはやってられない時が必ず来るからな。」
不貞腐れまくっている佐藤先輩の背中を土屋先生がまた叩く。
「今年引退だろ!!
もっとチームを強くするぞ!!!」
「いや、俺引退じゃなくてウィンターカップで優勝して終わるし。」
「おお、久しぶりに俺のことをてっぺんに連れて行ってくれよ。
最後にてっぺんに行ったのは星野とお前の姉貴コンビの時だぞ?
そろそろまた行きてーよ。」
土屋先生が楽しそうに笑った後に私のことをまた見下ろした。
それから、その視線を私の左膝に移した。
「悔いが残らないように青春するんだぞ。」
その言葉に、私はしっかりと頷いた。
そして・・・
「はい。」
そう、しっかりと返事をすることも出来た。
視界の中には、ギュゥゥッと両手を握り締める佐藤先輩の手が見えていた。
「ラスト12秒!!!」
相手チームもゾーンではなく最初からディフェンスについてきて、それも佐藤先輩には3人もついている。
それを見て、私は走った。
そして思った通りの場所とタイミングで、佐藤先輩が相手の股の間からワンバウンドのパスを出してきた。
それを受け取り私達のゴールへと目指す。
今日イチ良い動きが出来ている先輩にパスを出すと、先輩が無理にゴールを目指そうとした。
でも・・・
「まだです!!!」
ディフェンスもしっかりついているので止めると、そのタイミングで他の先輩がパスを受けてくれた。
「1本!!確実に!!!」
私が"1本”のポーズをすると、先輩達が一旦広がり体勢を整える。
その瞬間・・・
私は"影”を"背中”で見て、片手で背中からフッ……………とボールを渡した。
パスではなく、渡した。
私の背中ギリギリを通り過ぎた佐藤先輩に、渡した。
私についていたディフェンスの先輩が私の手から消えているボールを一瞬探し、その一瞬で佐藤先輩が中に突っ込んでいく。
それを私は"上”から見る。
ディフェンス達の声を聞き、佐藤先輩よりも大きな大きな先輩達がゴールの前の壁となり佐藤先輩の前で跳んだ。
それを、私は"先”に見た。
私"も”先を見た。
佐藤先輩だって絶対に見ているはず。
だって佐藤先輩は私の師匠で・・・
私は・・・
「絶対に止めろ!!!!」
相手チームにいるキャプテンが叫び、3人の大きな先輩達が壁となった。
佐藤先輩はそこに強引に突っ込んでいき、シュートを決める為に跳んだ。
「いや違う・・・!!!パスだ!!!!
ゴール下!!!!」
相手チームのキャプテンの声に、空中にいる3人の先輩が"は!?そんなスペースなかっただろ!?”という顔をしているのは想像し、こんなに小さな小さな私だから入れるスペースから走り込んだ私は笑った。
「私も、魔法使いの弟子なので。」
シュートのフェイントをかけた佐藤先輩が、空中でそのボールをゴール下に入り込んだ私に渡してきた。
今のはパスだけど、あまりにも私の手にピタッと入るから"渡された”という感覚。
佐藤先輩から渡されたこのボールを持って、私はシュートをした。
久しぶりに、ゴールに向かってシュートをした。
気持ち良かった・・・。
めっっっっちゃ気持ち良かった・・・。
ゴールをした瞬間の気持ち良すぎる音が、左膝がダメになった瞬間の恐怖の音を、掻き消した・・・。
左膝はやっぱりもう、痛くはなかった・・・。
「キャァァァァァ―――――――――ッッッッ!!!
晶せんぱーーーーーーーーい!!!!」
「ゎっ」
磯貝さんが私に抱きついてきて、それには大きく笑った。
同じチームの先輩達も私に近付いてきてくれ、私の頭をテキトーに撫でてくれた。
そんな私のことを佐藤先輩が嬉しそうな顔で見ていて、私は笑いながら佐藤先輩に片手を伸ばした。
「体育館裏でやってたバスケよりも楽しかったかも!!」
磯貝さんに抱き締められている私に向かって佐藤先輩が歩いてきて、片手を私に伸ばしてきた。
そして、佐藤先輩の手が私に触れ・・・
「・・・・・・っっ!?」
磯貝さんの身体から強い力で私の身体は引き離され、そして・・・
「・・・・・っっ」
私の身体は"あっ"と思った瞬間には佐藤先輩に抱き締められた。
「俺も・・・。」
汗だくの佐藤先輩が汗だくの私のことを苦しいくらいに抱き締めてくる。
「俺も、体育館裏でしたバスケよりもめちゃくちゃ楽しかった・・・。
晶と遊ぶバスケはやっぱり楽しかった・・・。
俺が1番好きなスポーツは晶と遊ぶバスケットボールで・・・それで、俺が1番好きな女の子は・・・俺、俺・・・晶のことが、好きだ。」
またその言葉を言ってくれた佐藤先輩に私は嬉しい気持ちと複雑な気持ちで笑った時、土屋先生が佐藤先輩の背中をバンッと叩いた。
「いくら兄貴とはいえマネージャーに堂々と手ぇ出してるんじゃねーよ!!
佐藤、膝大丈夫か?」
土屋先生に無理矢理引き離された佐藤先輩がめっちゃ不満そうな顔をしているのを視界に入れながら頷く。
「大丈夫です、なんかすみませんでした。」
「いや、こっちとしてはありがとうだった。
上にはもっと上がいるからな。
竜也を徹底的に攻略してきて潰されることもある。
ラスト1クォーター、死に物狂いで戦わないと掴めない勝負もある。
そんな時まで”忍び"”忍者"・・・あと何だっけ?
まあ、そんなやつはやってられない時が必ず来るからな。」
不貞腐れまくっている佐藤先輩の背中を土屋先生がまた叩く。
「今年引退だろ!!
もっとチームを強くするぞ!!!」
「いや、俺引退じゃなくてウィンターカップで優勝して終わるし。」
「おお、久しぶりに俺のことをてっぺんに連れて行ってくれよ。
最後にてっぺんに行ったのは星野とお前の姉貴コンビの時だぞ?
そろそろまた行きてーよ。」
土屋先生が楽しそうに笑った後に私のことをまた見下ろした。
それから、その視線を私の左膝に移した。
「悔いが残らないように青春するんだぞ。」
その言葉に、私はしっかりと頷いた。
そして・・・
「はい。」
そう、しっかりと返事をすることも出来た。
視界の中には、ギュゥゥッと両手を握り締める佐藤先輩の手が見えていた。