佐藤先輩と私(佐藤)が出会ったら
さっきの土屋先生からの話を思い返しながら、2クォーター目の試合のスコアシートをつけていく。 



"大きくて大切な忘れ物、か・・・。”



その言葉を思い浮かべ、コートの中を見る。



そしたら、私が"頑張れ”と応援をした男子がガードとしてめちゃくちゃ頑張っている姿があった。



2年生になったばかり、練習中のゲームを見ていても恐らく今まで練習試合でも出られなかったであろう男子。



その男子がめちゃくちゃ頑張っている。



もう、めちゃくちゃ頑張っていて・・・



こんなの・・・



こんなの・・・



「ナイスパス・・・・・・っっっ!!!!」



応援したくなる。



応援したくなっちゃう。



「今のめちゃくちゃ良かった!!!
でも、自分でもいけたよ!!!
自信持って!!!」



私の前を通る時にその男子にそう言うと、男子は真面目な顔をしながらも照れた顔をして私に頷いた。



それでやっと、"あ、この男子って本当に私のことを女として見てくれてるの・・・?”と気付き、それには恥ずかしくて顔が熱くなった。



でも・・・



「スリーポイント来る!!
8番必ず打ってくる!!!ハンドチェック!!・・・だけを意識しすぎないで!!!そう・・・・!!!良いね!!今の良かった!!!」



同じ2年生が先輩達に混ざってコートの中にいる。
それも、恐らく初めてのこういう場での試合に出ている。



ドキドキとする・・・。



ワクワクとする・・・。



やりたい・・・。



私もやりたい・・・・。



コートの中で、やりたい・・・・っ。



「入れっっっっ・・・・・・!!!!!」



その男子がフェイントを掛けた後、スリーポイントシュートを打った。



あのフェイントの仕方は佐藤先輩の魔法で。



私も使える、佐藤先輩から教えて貰った魔法で・・・。



自分が打ったかのような感覚になりながら、そう叫び・・・



「やったぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!!!」



バスケットボールがゴールネットを綺麗に通った瞬間には、私は両手を上げて喜んだ。



私も、バスケットボールがしたい・・・。



やっぱり、バスケットボールがしたい・・・。



大きくて大切な忘れ物は、絶対にしたくない・・・。










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