佐藤先輩と私(佐藤)が出会ったら
それには小さく笑いながら突っ込む。



「それは嘘です・・・、全然普通でした・・・。」



「本当だよ。
俺、何でもない顔をするのなんて得意だもん。
だって・・・」



「「そうじゃないとフェイントがかけられない。」」



佐藤先輩と私の声が合わさると、佐藤先輩は号泣しながらも大きく笑った。



そんな初めて見る佐藤先輩の顔を見詰め、私は言う。



「佐藤先輩は凄いですね・・・。」



「何が?」



「よく、諦めませんでしたね・・・。
よく・・・此処からシュートを入れて、伝えることが出来ましたね・・・。」



「だって、晶が俺から離れていこうとしたから・・・。
もう、兄妹に戻れないと思われているなら、いくしかないと思った・・・。
ブザーが鳴るその瞬間まで、絶対に諦めたくないと思った・・・。
少しでも晶の心を動かすことが出来るならどんなことでもやりたいと思った・・・。
俺・・・晶の子どもを抱きたい・・・っっ。
どうしても、晶が産んだ子どもを・・・っ、晶と俺との子どもを抱きたいと思って・・・っっ。
でも・・・そんな・・・晶にとっては気持ち悪いと思うことを思って・・・伝えて、ごめんね・・・っっ」



それを聞き、私は号泣しながらも首を横に振り続ける・・・。



そして・・・



「私は、ダメだ・・・っ。」



そう呟いた私に佐藤先輩はもっともっと大きく泣く。



私の顔を見詰めながら・・・、嗚咽まで漏らしながら・・・。



両手で自分の口をおさえている佐藤先輩の両手に手を伸ばしていく。



ゆっくり、ゆっくり・・・・



「私はまだまだこんなに弱くてダメだ・・・。」



でも、もう身体は重くない。



こんなにも軽い。



今ならダンクシュートまで出来るんじゃないかってくらい、軽い・・・。



だから、言った。



だから言えた。



佐藤先輩がこんなに最高なパスを渡してくれたので、簡単に言えた。



「私なんて、中学校で佐藤先輩と出会った時から、佐藤先輩のことが男子としてずっと好きでした。」
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