佐藤先輩と私(佐藤)が出会ったら
放課後



コートが2面ある体育館で女バスと女バレの練習が終わった後、男バスと男バレの練習が始まる。
女バスの全員が体育館から出るのを扉の近くで待機をしていると、同じ2年のメンバーだけではなく新1年生の子達の姿もあり、そして・・・



3年生になったばかりの先輩達も出てきた。



「お疲れ様です。」



同期や後輩の時とは違う緊張感を抱きながらも挨拶をすると、普通に挨拶を返してくれた同期や後輩達とは違い、先輩達は次々に足を止めた。



そして・・・



「晶、何で断らなかったの?」



と聞かれて・・・



「絶対に断ると思ってたよ。」



「うちらの引退試合までに間に合うのに、プレーヤーとして復帰するつもりはないってこと?」



「早く戻ってこないと私がスタメンになっちゃうからね、早く戻っておいで。」



「私は晶のパスじゃないと良いプレー出来ないらしいから、いなくなると困るんだけど。」



先輩達の温かい言葉に胸がギュッとなり、泣きそうになる。



「うちらの引退試合までには間に合わなくても、絶対にプレーヤーとして戻ってくるんだよ。」



そう言って、キャプテンが優しい顔で私の頭に片手を置いてくれた。



キャプテンのその手に、レギュラーの他の先輩達が次々と手を重ね・・・



私の頭には4人の先輩達の手が重なった。



試合前には必ずやっているこの謎の儀式を久しぶりに見て、それには普通に泣いた。



でも、どうしても頷けない私に先輩達は残念そうに笑って・・・



「晶のことを大切にしてよね!!!」



「この子、変な話とかに全く免疫ないから変な話はしないでよ!!」



「あと、脱いだら結構おっぱい大きいからってセクハラしないでよ!!」



「先輩、何でそんなこ言っちゃうんですか〜っっ!!
天然は試合中に突然出るミラクルプレーだけにしてくださいよぉぉぉぉ!!!」



泣きながら先輩に抱きつくと、「ごめんごめん」と謝られながら頭を撫でられた。



先輩達や同期達の笑い声に苦しいくらいに泣いた。



"ごめんなさい”



心の中で何度も謝りながら。



"私、バスケをするのがもう怖い・・・”



今日も心の中でそう思いながら。
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