DEAR 2nd 〜Life〜
───…始まった新生活は満足にも“充実してる”とは言えなかった。
何かさすが“医療”って頷いちゃう専門教科。
解剖学、微生物学、生化学、栄養学、心理学……。
専門教科以外に習う英語……。
おまけに毎週毎週レポートの嵐、学内実習の嵐……。
………あ、頭イタイ……。
─────グタッ。
ちょうど午前の講義が終わり、空腹と疲労で机に突っ伏していた時。
「───彩~っ!
お弁当食べよっ♪」
「あっ、うん!!」
前の席のマキに振り向かれ、急いで顔を上げる。
ミユとエリカも寄ってきて、四人で仲良くお弁当を広げた。
───…この時間が一番平和で落ち着くし好きだなぁ……
「───あ~っ!!!!
彩のお弁当超美味しそう~っ♪可愛い~っ♪」
「……え?あぁこれ?
良かったら食べる?」
「わぁっ、いいのっ?♪」
「全然いいよ、どうぞ♪」
「ありがとっ♪」
タコウィンナーをあげると、無邪気に食べてくれるマキに笑顔が零れる。
「───…にしても、彩って自分で弁当作ってんのかよ?」
「ん?うん。めちゃくちゃ適当だけどね。」
「そんな事ないよ~?
朝から偉いじゃ~んっ!
しかも手~込んでるしぃ♪」
「……そ、そうかなぁ…」
ミユとエリカにそう言われ、ちょっとだけ真っ赤になって照れちゃった。
一人暮らしになってからっていうもの、当然ながら自炊生活。
仕送りしてもらってるとは言うものの……せめて食費くらいは切り詰めたくて。
料理は別に嫌いじゃないし、昨日の晩御飯の残りとかになっちゃうけど。
時には料理の天才ゴローちゃんにもお裾分けしてもらったりして。
とりあえず、お弁当だけは欠かさず作るようにしていた。
「彩って可愛いもの好きだよねー?
お弁当も可愛いし、持ってるのも全部可愛いじゃん?」
そう笑うマキに身に付けている物を見つめられ
「あー…そうだね。
可愛いのだとテンション上がるんだよね。」
「ホント、THE★女の子って感じするよなー!!!!
ピンクとかふわふわ似合うし。」
「服も女の子っぽいもんね~。
ねぇ、そのワンピはどこで買ったの~?」
突然エリカに、今着ている花柄のシフォンワンピを指差された。