DEAR 2nd 〜Life〜
“朝岡さんが、好き。”
急に湧き出した、温かくて優しい気持ち。
朝岡さんしか見えない、
見たくない。
朝岡さんしか考えられない、考えたくない。
朝岡さんしか───…
………………
ねぇ、誰からも愛されているあの笑顔を一人占めしたい。
あの大きな手の平に、同じ気持ちを重ねて手を繋いでみたい。
あの大きい腕の中、包まれてしまうと小さい彩はどうなってしまうの?
─────……キュゥッ…。
───……不思議、だった。
“好き”って悟った途端に、塞き止めていた気持ちが溢れ出したみたいに。
今までずっと変な理由ばっかりこじつけていて、ごめんね。
出来るなら、選んでくれるなら───……
あたしが、朝岡さんを大事にしたい。
ずっとずっと見守ってくれていた分、今度は──……
ねぇ、そうやって見守られてきた“あたし”が幸せにしたいの。
「……はぁ……」
……ダメ。
完全に恋してるモード入っちゃった。
さっきから頭ん中、朝岡さんがなかなか離れてくれない。
今頃、あの綺麗な美声で歌ってるのかなぁ……。
……やだなぁ。
前大学行った時、朝岡さんが女の子からキャーキャー言われてたの知ってるもん……。
黄色い声あげられてたらやだなぁ……。
……うー……。
デート、早くしたいなぁ。
早く今週末にならないかなぁ……?
どこ……行こう?
映画?遊園地?ドライブ?水族館?
うーん、明日買う服も何がいいかなぁ。
……しっ、
下着とかも新調した方がいいだろうか……。
─────かぁぁぁっ!
い、いや!!!!!!
それはいくら何でも考え過ぎか。
……うん、
で、でも一応念の為、ね、念の為……。
「───彩~?何してるの~?早く白衣に着替えないと実習始まっちゃうよー?」
「────あ、うん!!!!」
………やばっ!
妄想ばっかで次実習ってこと忘れてた!
────カチャッ!
バサバサ───……!
恋の火照りで熱い体に、素早く白衣を纏う。
……そして最後にカーディガンを羽織ろうとした時。
「彩ぁ、今日は実習でテストだからカーディガンだめだよー?」
「……え?」