DEAR 2nd 〜Life〜
「………あ。」
更衣室まで入って、ハッと忘れ物に気付く。
「……やだ…
ジャージ忘れて来ちゃったよ……。」
朝岡さんから、慌てて逃げたからだ。
「───……はぁ……」
バカだな、もう……。
完全に抜けてる……。
また一つ溜め息をつれ、
あたしはくるりと向きを変えた。
───…その時。
………ふわっ──……
「───…だーれだ?」
優しい温もりを帯びた手の平に、急に視界を隠される。
───…思わず、笑ってしまった。
ねぇ、すぐに分かるよ。
この香りは、すぐにあなたを連想させる。
大きな手。
耳に透き通るような、低い優しい声──…。
目隠しなんか意味ないの。
こんな優しいイタズラをするのは、あなたしかいないから。
……ねぇ、そうでしょ?
「───…朝岡さん…。」