DEAR 2nd 〜Life〜




─────PRRRR…





─────PRRRR…




電話口から聞こえてくる、無機質な機械音。




まるで行動一つ一つを見逃さないように見張ってるかのような、クラス全員の視線。






「…………」






───この時のあたしは、果たしてちゃんと呼吸出来ていたのだろうか?




………思い出したいのだけれど、何故かもう思い出せない。






─────PRRRR…




……耳に響くコール音は、5コール目。





─────PRRRR…




“お願いだから電話に出ないで”と、藁にもすがるような気持ちで





─────PRRRR……





もうさすがに出ないだろうと、通話ボタンに指を置いた瞬間





────PRRRR……







──────プツッ……














『────…はい?』










ヒヤリと





宙に





心臓が浮いた







「────…ッ…」






────出た……







『───……彩?



────どうした?』







ねぇ





どうしてあなたはこんな時にまで、変わらない優しい声のままなの?


どうしてこんな時にまで、その穏やかな声であたしを気遣ってくれるの?





どうして?





ねぇどうして?





酷いよ




出ないでよ





出ないでよ───…!







……朝岡さんの優しい声を聞いて、こんなにもね。






───絶望感を味わったなんて初めてだったよ。





……初めて、だったんだよ。







「───…あ、あの…」




『ん?』





………あれ、おかしいな。





喋りたいのに、声が喉に張り付いて、うまく出てこないよ。








「───………




………お………




お願い……があって……」





『───うん?』






「……あの……ね?」





『うん。』







「……あたしの友達が…ね……?」





『うん。』







「……今日の朝、朝岡さんを見てね……?




……朝岡さんの事、気になったみたいで……





───その………





会って……あげて……




欲しいんだ───……」








その瞬間、クラスの誰もが不気味に笑みを溢し







『………………』







───朝岡さんさえも、

ケータイ越しに表情が変わったのを感じた。




< 198 / 475 >

この作品をシェア

pagetop