DEAR 2nd 〜Life〜
─────PRRRR…
─────PRRRR…
電話口から聞こえてくる、無機質な機械音。
まるで行動一つ一つを見逃さないように見張ってるかのような、クラス全員の視線。
「…………」
───この時のあたしは、果たしてちゃんと呼吸出来ていたのだろうか?
………思い出したいのだけれど、何故かもう思い出せない。
─────PRRRR…
……耳に響くコール音は、5コール目。
─────PRRRR…
“お願いだから電話に出ないで”と、藁にもすがるような気持ちで
─────PRRRR……
もうさすがに出ないだろうと、通話ボタンに指を置いた瞬間
────PRRRR……
──────プツッ……
『────…はい?』
ヒヤリと
宙に
心臓が浮いた
「────…ッ…」
────出た……
『───……彩?
────どうした?』
ねぇ
どうしてあなたはこんな時にまで、変わらない優しい声のままなの?
どうしてこんな時にまで、その穏やかな声であたしを気遣ってくれるの?
どうして?
ねぇどうして?
酷いよ
出ないでよ
出ないでよ───…!
……朝岡さんの優しい声を聞いて、こんなにもね。
───絶望感を味わったなんて初めてだったよ。
……初めて、だったんだよ。
「───…あ、あの…」
『ん?』
………あれ、おかしいな。
喋りたいのに、声が喉に張り付いて、うまく出てこないよ。
「───………
………お………
お願い……があって……」
『───うん?』
「……あの……ね?」
『うん。』
「……あたしの友達が…ね……?」
『うん。』
「……今日の朝、朝岡さんを見てね……?
……朝岡さんの事、気になったみたいで……
───その………
会って……あげて……
欲しいんだ───……」
その瞬間、クラスの誰もが不気味に笑みを溢し
『………………』
───朝岡さんさえも、
ケータイ越しに表情が変わったのを感じた。