DEAR 2nd 〜Life〜
───…数秒間重い沈黙が続き
『─────……
………何それ?
そんなこと本気で言ってんの?』
朝岡さんは、今までに聞いたことのない1トーン低い声で尋ねた。
その声は、微かに苛立ちも帯びている。
「…………っ……」
未だかつて感じたことのない朝岡さんのオーラに、恐怖で体がすくむ。
……本心なワケなかった。
あなたを誰にも譲りたくない。
誰にも渡したくないよ。
───それが本心だよ。
だけど
「─────……」
────…言えないの。
こんなにも大勢の敵に囲まれて
冷たい視線で見下ろされて
────…言えないよ。
“ちがうよ、びっくりした?”って
“冗談に決まってるじゃん”って
“助けて”って
言いたくても言えないよ。
言えないよ────…!
「────…あの…」
喋りかけようとしたその時
─────パッ!
「─────!?」
耳に翳していたケータイが、一瞬にして消えた。
………え………?
驚きを隠せず、慌ててキョロキョロとケータイの行方を探す。
───…すると
「───もしもし?♪
あたし、今紹介に挙がったマキと言います。」
───────!
マキがニッコリと微笑み、あたしのケータイを耳に翳している姿が──…
「───…マキ!かえし……」
━━━━━━バッ!
マキに駆け寄るも、クラスメイトが前に立ちはだかって近寄れない。
「………っ……
お願い、どいてよ……
返して………」
ケータイを返して欲しくて右に左に動くも、同じように動かれて近付けない。
「─────…っ……」
ジワリと涙が滲んだ瞬間
「───はい、そうです♪
………え?彩?
───…えぇ♪
もちろん彩も賛成してくれてます♪」
「─────!」
マキはくるくると巻き髪を指で触りながら
「───じゃあ……
今日、会ってくれますか?」
その言葉を聞いて動きが止まるあたしを見て、マキは満足そうに微笑んだ。