DEAR 2nd 〜Life〜




“あっ、いいじゃんいいじゃん~!!!!似合ってるよ、可愛い♪


似合う似合う♪”






“マキは彩の味方だからね?”







────……マキ……





あの時、笑顔でそう言ってくれたマキはどこに行ってしまったの?






「………………




もうどうでもいいや……」






────ガサガサ……。






………パタン………。







買ったもの全てをクローゼットの奥深くに閉まい込み、気持ちも思い出も全部閉じ込めてしまった。





……もう考えるのも、思い出すのもよそう。





いくら頭抱えたって、他人の本心なんか分かる訳ないんだから。






「………ケータイ……

解約しようかな……」






───…ポツリと一人言を呟いて、特に格好も気にしないで家を出た。






もう誰とも繋がりたくなかった。





人なんか信用出来ない。





───結局、マキも朝岡さんも同じだ。





昨日まで一緒に笑い合っていた人が、信じていた人が





いきなり表情変えて、手の平返してきたのが動かぬ証拠。







“味方”







朝岡さんにも、マキにも言われたその言葉。







───もう信じない。






信じられるのは自分だけ。






────……自分、だけ。







「────いらっしゃいませー♪



今日はどのようなご用件でしょうか?」





「……あ、すいません……



このケータイ解約して、新しい機種にしたいんですけど……」





「はい、かしこまりました♪こちらへどうぞ♪」





────カツカツ……






休日で賑わうケータイショップ。




恋人同士が仲良くケータイを選んでいたり、家族連れで混み合うショップ内を





「……………」





あたしは俯きながら、ショップのお姉さんの後を付いて歩いた。






「ねぇケータイお揃いにしようよ♪」




「どれ?」








………いいな………。





あたしも同じケータイとかにしてみたかったな……。






「─────……」






─────ギュッ…。





もう電源さえ入っていないケータイを握り締め、








「───どれにすんの?」





「……んー、じゃあこれがいい♪」






───…そう笑い合う恋人の後ろを通り過ぎた。


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