DEAR 2nd 〜Life〜
「───…好きな…ドレス……?」
……ってどーいう……
目を点にして美月にそのまま言葉を返すと
「───さっ、ここで必要なキャバ嬢コーディネート一式揃えちゃお!★」
「───…えっ…」
────バサバサッ!
美月は楽しそうに次から次へとドレスを抱え、あたしに当てては首を捻らせる。
………こ、
これって……
もしかしてすんごい高いんじゃ───……
「───…美月、あの…」
「ん~?
……あー、やっぱグリーン系は合わないな。パスパス!」
────バサッ!
美月は合わないドレスを放り投げ、また次のドレスをあたしに合わせる。
────キラキラ……
そのドレスのどれもが高そうに見えて、あたしは鏡さえ見れない。
───む、無理無理!!!!
ドレス一着だけで、支払い何回払いになるか……
考えただけでゾッとする。
「………あの……
美月、あたしこんなドレス買うお金───…」
“ない”、と言おうとした瞬間
「────あーっ!!!!!
やっば!!!!!!キタねこれ!!ドンピシャ!」
「────……え…」
美月は“超”が付くほどのハイテンションで頷いた。
────…鏡には
ホワイトベースに淡いピンクがほのかにグラデーションになっている“パールピンク”。
淡い色彩はどこか優しくて温かく、でも着れば体のラインをしっかり引き立たせてくれそうな──…
マーメイドドレス……。
「───うんうん!
やっぱ淡い色が似合うね!可愛い可愛い♪」
「……え、でも……」
「あ、お金は気にしないでいいよ~。
この店、店長が経営してる店なの。
だから初めてキャバ嬢になる子には、コーデ一色くれるんだよ♪」
「───え!?!?!?」
いいの!?!?
そんな太っ腹精神すごくない!?!?
またこの世界の“普通”に慣れなくて、驚きを隠せないでいると
「───次は~……
んーっと、アクセサリーと、ヒールと……
あっ、それからヘアメイクもやっちゃお♪」
「え!ちょっ……、」
「いーからいーから♪」
美月は問答無用で、さらにあたしを奥へと引っ張った。