DEAR 2nd 〜Life〜
誰………?
時間はもうとっくに深夜を超えていて。
こんな夜更けにインターホンが鳴るなんて、普通に考えて有り得ないワケで。
……ましてや、あたしの家に訪問者なんか来ること自体がおかしい……。
────ピンポーン!
「……!」
怪しい、怖い、有り得ない。
鍵……
チェーンしか掛けてないけど大丈夫かな…。
ちゃんと……ちゃんとしっかり施錠しとけばよかった。
怖い。
怖いよどうしよう。
そうだ居留守…
居留守使っちゃおうか……
━━━━ピンポーン!
────ビクッ!
そんな迷いを切り裂くかのように鳴ったインターホンに
「……っ、」
あたしは言い知れない恐怖に顔を目一杯ひきつらせ、恐る恐る玄関へと近付いた。
────その時。
────コンコン…
今度はインターホンから小さく控えめなノックに変わり
聞こえてきたのは
「────…彩……?
いないの………?」
……え……
この綺麗な透明感がある声……聞いたことある……。
でもまさか
「…だ…誰…?」
「───彩!?!?
良かった、いるんだね?
あのっ…あたしだよ……
……マリア───……」
「───…っ、」
まさかの懐かしい名前に、全く予想していなかった出来事に
ドクンドクンドクン───…!!
吐きそうなくらいの心拍数が一気に身体を襲う。
「…ど…して…」
どうしてマリアがここに
「────お願い!!!!
ここを開けて欲しいの!
どうしても話さなきゃいけない事があるの……
お願い…開けて───…」
「………」
今さら…
今さら話なんて何……?
それにあたし“彩”じゃない。
“彩”じゃ───…
「───…お願い……
……純を……っ
純を助けて───……」
“純”
どんな理屈や言い訳を並べても
あたしは結局その名前には敵わない。
────…カチャ…
あたしは震える手でドアを開けた。