DEAR 2nd 〜Life〜






────…キィ…







「…彩…」





「………」






重く開いたドアの先には、半年ぶりのマリアの姿。






───…変わってない。





息を呑むようなマリアの美しさは全くもって変わってないんだけど───…





何か……




何かが







「……ごめん…ね……



いきなり……」








───覇気がない。





彼女特有の覇気が全くないんだ。





すまなそうに謝るマリアの顔が沈んでいて余裕がないなんて彼女らしくない。






目が真っ赤に充血していて、唇をギュッと噛み締めている姿からすると……





そうとう……切羽詰まってそうだけど───…







「……上がって。」






あたしはマリアの態度から“何か”を感じ取って部屋に上げた。








──────……





………─────






「どうぞ」




「……ありがと…」






お茶を差し出し、机を挟んで座る二人にはかなりの距離があった。





……心の距離はその何十倍も。






「………」




「………」






多分、お互いがそう認識していたんだろう。





二人の間には全く会話が咲かず、ただマグカップから湯気だけが上がっていた。







────ヒュウウ…






窓から風が唸る音を切り出しの合図にしたのか








「───…あの…




元気…だった…?」







マリアはやっと顔を上げ、決心したように口を開いた。






「…まぁ…よく…分かんないや……」





「……そっか…」






あたしは逆に視線を下げ、うつ向いてしまう始末。






だけど……




だけどやっぱり気になるのは










「───朝岡…さんは……





元気───…?」









行き着く先は此処だった。





聞きたいけど、聞くのが怖いのは承知で。






マリアは本題に触れられ、ますます顔を曇らせ…









「───…元気…







……じゃない……」









────ドクン









「……げ……元気じゃないって…?」









「………あ……あたし達がバカだったんだ……





また……






また純の異変に気付けなかったから───…」








「……異……変…?」








───…朝……岡さん…?


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