DEAR 2nd 〜Life〜





「───ねぇ、マリア何であんな喧嘩強いの?」





「……さぁねー。血なんじゃない?」





「血?」





「…そ。血♪」






腕に絡み付くあたしに、

マリアはワケ有りに笑ってみせた。








「───…じゃあー…」





「ん?」






「……何でマリアってそんな朝岡さんに忠誠誓ってるの?」






「───…へ?




何?もしかして疑ってる?」






「い、いや別にそうじゃなくて…」






疑ってはないんだけど…




でも気になっちゃうのが本音だったり…。






マリアはそんなあたしを見て、くくっと口を押さえ






「───…忠誠誓ってるのは何もあたしだけじゃないわよ。





そこは吾郎も壱も一緒。





…まぁー…




ハタから見たらあたしと純の関係なんて怪しいかもだけどね。





一緒に外国逃亡したこともある仲だし。」






「へっ!?!?」





がっ外国逃亡!?!?




何それ!?!?







「───…ワケありでね。



お互い病んでた時期に逃げた事あるの。」






「…え、ちょっ待って…」






朝岡さんとマリアが外国逃亡って!




何だその映画みたいな話は!!!!





……っていうか外国ってことは旅行だよね。






───ってことはまさか…







「───…安心してね。



さっきあの子に言ったみたいに、あたしと純が一線越える事はないから。




────…絶対。」







────ドキッ!






考えてた事を見事に射抜かれ、ついつい顔が引きつる。









「───純には……





そうね。





恋人とか、そんな言葉も陳腐に感じちゃうのよ。」






「───…」






「……何かお互いそういうもんも卓越しちゃった感じ。





あたしには……





純に、一生かけても返せない借りがあるから。」






「…マリア…」








「───その純の大事な子を守るのも、純を守る事に繋がるでしょ。」








そう目を伏せて笑うマリアにも、きっと──…






誰にも言えないような、

心に深い傷があるに違いない。






きっとその傷に朝岡さんが関わっていて、マリアにとっては“一生支えていく”って言うくらいの借りがあるんだろう。






……たとえ詳しく話してくれなくても、あたしには今の言葉で分かる気がした。


< 339 / 475 >

この作品をシェア

pagetop