DEAR 2nd 〜Life〜
「───ねぇ、マリア何であんな喧嘩強いの?」
「……さぁねー。血なんじゃない?」
「血?」
「…そ。血♪」
腕に絡み付くあたしに、
マリアはワケ有りに笑ってみせた。
「───…じゃあー…」
「ん?」
「……何でマリアってそんな朝岡さんに忠誠誓ってるの?」
「───…へ?
何?もしかして疑ってる?」
「い、いや別にそうじゃなくて…」
疑ってはないんだけど…
でも気になっちゃうのが本音だったり…。
マリアはそんなあたしを見て、くくっと口を押さえ
「───…忠誠誓ってるのは何もあたしだけじゃないわよ。
そこは吾郎も壱も一緒。
…まぁー…
ハタから見たらあたしと純の関係なんて怪しいかもだけどね。
一緒に外国逃亡したこともある仲だし。」
「へっ!?!?」
がっ外国逃亡!?!?
何それ!?!?
「───…ワケありでね。
お互い病んでた時期に逃げた事あるの。」
「…え、ちょっ待って…」
朝岡さんとマリアが外国逃亡って!
何だその映画みたいな話は!!!!
……っていうか外国ってことは旅行だよね。
───ってことはまさか…
「───…安心してね。
さっきあの子に言ったみたいに、あたしと純が一線越える事はないから。
────…絶対。」
────ドキッ!
考えてた事を見事に射抜かれ、ついつい顔が引きつる。
「───純には……
そうね。
恋人とか、そんな言葉も陳腐に感じちゃうのよ。」
「───…」
「……何かお互いそういうもんも卓越しちゃった感じ。
あたしには……
純に、一生かけても返せない借りがあるから。」
「…マリア…」
「───その純の大事な子を守るのも、純を守る事に繋がるでしょ。」
そう目を伏せて笑うマリアにも、きっと──…
誰にも言えないような、
心に深い傷があるに違いない。
きっとその傷に朝岡さんが関わっていて、マリアにとっては“一生支えていく”って言うくらいの借りがあるんだろう。
……たとえ詳しく話してくれなくても、あたしには今の言葉で分かる気がした。