DEAR 2nd 〜Life〜
『……じゃあ彩ちゃん。
今日一緒にケーキ作ろうね』
『───わーいっ!!
オレチョコレートケーキがいいなぁっ!♪』
『却下~。俺はチョコな気分じゃなーい。』
『何で!!チョコレート最強じゃん!
絶対絶対チョコレート!ギブミーチョコレート!!』
『…帰れ。』
『……あは。じゃあ彩ちゃん、また後でね。
マリアに気を付けて帰って来いって伝えといて。』
「…うん分かった♪
ありがとう、ゴローちゃん。」
─────…ピッ。
三人とのテレビ電話を切った後。
あたしは
一際大きい樹木にもたれかかり、空に昇っていく煙を仰いでいるマリアに近付いた。
枝分かれする葉の隙間から太陽の光が煌々と射し、木洩れ日として彼女を照らして。
────…何か
よく分からないけど神々しい感じさえする。
“マリア”
ちっとも名前負けしないあなたは、どうして何をしていても絵になる様に美しいのだろう。
時々あなたを見ていると、こんな風に。
息をするのも忘れるくらい、ハッとする時がある。
「───あ、あの…マリア…
さっきは本当にありがとう……」
マリアは返事をせず、代わりに煙草をギュッと押し消し
「────…お礼。
言う相手間違ってるよ。」
「え…」
「…あたしじゃなくて純。
あたしは純に“行け”って言われたからその通りに動いただけ。
……昔から、純はあたしの絶対神だから。」
「…絶対…神…」
「───でも」
「…?」
「───今回は純に命令されてなくても来てた。
……あたし自身の意志で」
「…マリア…」
照れくさそうにうつ向くマリアに、何故かあたしはうるうる。
「……それっていい解釈として受け止めていいの…?」
「……まぁ…ね」
「いやー!!もうマリア好き!超好き!!!」
────ガバッ!
「────!?!?
ちょっ…嫌だ、あたしはそんな趣味ない!」
「あたしもないよー。
でもマリアが好きなんだもん♪」
「……いや、答えになってないって。」
抱きついて離れないあたしに、マリアは呆れた声を上げた。