DEAR 2nd 〜Life〜
────ドキィッ!
すぐ近くにある朝岡さんの顔が心臓のテンポを鋭く跳ね上げる。
「あ、あの…っ」
─────プチッ
「!」
あたしの動揺お構い無しに朝岡さんはあたしの頭に手を翳し、何かが後ろで外れる音がして
─────ふわっ…
途端に、アップで止まっていたあたしの髪が外れ、静かに肩に落ちてくる。
「───ちょっ、ちょっと朝岡さんっ…!」
「────彩……
会いたかった……」
─────ギュッ…
かすれた声で呼ばれた名前に
抱き締められた瞬間息が止まりそうな感覚に
「───…っ」
あたしから、朝岡さんは軽々と言葉を取り上げる。
────…でも!
「……朝岡さんのバカっ…あたし怒ってるんだからね…っ!」
既にあたしの首筋に顔を埋めている朝岡さんをグイッと引き離す。
「……怒ってる?」
でも朝岡さんはキョトン。
「───怒ってるよ!!!
いきなり店来るし!
からかうし、儷奈ちゃんから誘われてるし!
おまけに………っ!」
「……おまけに?」
「………」
───し、しまった!
これじゃ自分からクリスマス誘ってくれないって暴露するようなもんじゃん!!!!
愛美の時は嫌味交えて言えたけど、彩の時は死んでも自分から言うもんかっ!
「……なっ、何にもない!」
朝岡さんから顔を背け、口を尖らせ膨れているあたしは、ただの意地張った子供だったと思う。
「……へぇ…」
朝岡さんはそんなあたしから何かを読んだように笑い
「彩、そんなにヤキモチ妬いてたんや?」
「はっ!?」
「嬉しいねぇ。
四年前なんか俺に見向きもしてくれへんかったくせに♪」
「…なっ、」
「───それとも
俺が彩以外の女とクリスマス過ごすかと焦った?」
「───っ!」
やっぱり朝岡さんはあたしをさりげなく誘導尋問に乗せるのがうまい。
“言わないようなら言わせてやろうホトトギス”ってか!?!?
……ってちがう!
「っ…」
あたしは混乱を隠すように朝岡さんを睨み付けた。